FC2ブログ

皆川博子 『少女外道』 (文春文庫)

「それを何と呼ぶのかは知らなかったが、決して他人に知られてはならないと、本能が久緒に教えた。」
(皆川博子 「少女外道」 より)


皆川博子 
『少女外道』
 
文春文庫 み-13-10 

文藝春秋
2013年12月10日 第1刷
266p
文庫判 並装 カバー
定価560円+税
装丁・カバーデザイン: 柳川貴代


「単行本 二〇一〇年五月 文藝春秋刊」



皆川博子 少女外道


カバー裏文:

「戦前の日本。大きな庭のある裕福な家庭に育った久緒は、あるとき怪我を負って苦悶する植木職人・葉次の姿を見て、自分が苦しみや傷に惹かれる「外道」であることを知る――。特異な感覚を抱きながら昭和を生きた女性の生涯を描いた表題作など、彼岸と此岸、過去と未来を自在に往還する傑作短編全七編を収録。」


目次:

少女外道
巻鶴トサカの一週間
隠(こも)り沼(ぬ)の
有翼日輪
標本箱
アンティゴネ
祝祭

解説 (黒田夏子)




◆本書より◆


「少女外道」より:

「血は簡単に止まった。薄皮をちょっと切っただけだった。二つの小さい傷口をあわせてみた。一つの痛みを二人で感じていると、久緒は思った。」


「巻鶴トサカの一週間」より:

「どちらからともなく、皮膚を失った指頭の、傷口と傷口をあわせた。ずきずきする痛みを、二人で同時に感じていると彼は思った。」


「隠り沼の」より:

「「この子は凶暴なのよ。生まれる前から、この子は人殺しなんだから」」

「「お腹の中で、死んでいたんだそうだ」一衛は言った。「それも……ちゃんと人の形になる前で、このくらいの」と親指と人差し指で輪を作った。「なんか、変な……鼈甲の欠片みたいな形だったって」」



「有翼日輪」より:

「「あなたは死者なのですか」」
「「私は九歳の時、死んだんですよ」画家は言い、すぐに言い添えた。「誤解を招く表現ですね。肉体は死にそびれました。ですから、年齢を重ね、躰は生きています」」



「標本箱」より:

「「成長できない破片でも、夢は見ているのよ」」

「「あなた、誰?」
 男の子に訊ねた。
 「僕はあなたの、生まれなかった従弟」
 男の子の声は言い、そうして続けた。「倫さんは、生まれてしまって気の毒だね」」



「祝祭」より:

「「お前みたいな本狂いになったら、ものの役に立たないだろうが」」



























































関連記事
スポンサーサイト
プロフィール

ひとでなしの猫

Author:ひとでなしの猫
ねたきり読書日記。

◆「樽のなかのディオゲネス」から「ねこぢる」まで◆

Koro-pok-Guru
Away with the Fairies

難破した人々の為に。

分野: パタフィジック。

趣味: 図書館ごっこ。

好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

将来の夢: 石ころ。

尊敬する人物: ジョゼフ・メリック、ジョゼフ・コーネル、尾形亀之助、森田童子。

ハンス・アスペルガー・メモリアル・バーベキュー。


うまれたときからひとでなし
なぜならわたしはねこだから

最近の記事
カテゴリー
ブログ内検索
リンク
フリーエリア
netakiri nekotaroの最近読んだ本