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『アドルフ・ヴェルフリ 二萬五千頁の王国』 (2017年)

「ごきげんよう、紳士、淑女のみなさん:?
私に、何を、お望みかな?
私は飼いならされてはおりませんぞ:
野生動物というわけでもありませんがね。
署名、アドルフ・ヴェルフリ、ベルン」

(アドルフ・ヴェルフリ 『揺りかごから墓場まで』 より)


『アドルフ・ヴェルフリ 
二萬五千頁の王国』

Adolf Wölfli: A Kingdom of 25,000 Pages

監修: 服部正
編集: 兵庫県立美術館/名古屋市美術館/東京ステーションギャラリー/中日新聞社/国書刊行会

国書刊行会
2017年1月11日 初版第1刷発行
2017年6月1日 初版第2刷発行
231p 
26.3×21.8cm
丸背紙装上製本(薄表紙) カバー
定価2,500円+税
デザイン: 西岡勉


兵庫県立美術館
2017年1月11日―2月26日
名古屋市美術館
2017年3月7日―4月16日
東京ステーションギャラリー
2017年4月29日―6月18日



出品作品74点の図版および部分拡大図(カラー)。ヴェルフリの肖像写真やスイス連邦鉄道特別列車アドルフ・ヴェルフリ号の写真その他参考図版(モノクロ)多数です。
展覧会図録ですが、書籍として流通しています。本書はアマゾン(マケプレじゃないほう)で新品を購入したのですが、オビに少ヤブレ・イタミがあったので残念でした。


ヴェルフリ 01


帯文:

「アール・ブリュットの
「王」が描いた
夢物語

少年ドゥフィが世界中を冒険する空想の自伝的旅行記『揺りかごから墓場まで』、地球全土を買い上げ「聖アドルフ巨大創造物」を作り上げる方法を説く壮大なる創世記『地理と代数の書』、自身のレクイエムとも言われる呪文のような果てしなきマントラ『葬送行進曲』……。ジャン・デュビュッフェ、アンドレ・ブルトンらが絶賛した、叙事詩・絵画・楽譜・数字・表計算などあらゆるものが横溢する比類なき作品世界。アウトサイダーアート/アール・ブリュットを代表する伝説的芸術家の魅力を凝縮した
本邦初の本格画集。」



帯背:

「描くとは、
もう一つの人生を
生きること」



帯裏:

「アール・ブリュットとは、芸術的創作をできるところまで押し進めたものです。
他の芸術家たちは、自分の芸術をほんの半分しか信じられず、芸術の外側にある慣習的な人生を生きていたのです。
狂気とは偉大な芸術です。たとえば、ヴェルフリがそうであったように。
●………ジャン・デュビュッフェ」



目次:

ごあいさつ (主催者)
Introduction (The Organizers)

序文 (ヒラー・シュタトレ)
Vorwort (Hilar Stadler)
アドルフ・ヴェルフリ (ダニエル・バウマン)
Adolf Wölfli (Daniel Baumann)

[図版]
 1章 初期のドローイング/楽譜(1904―1907)
  Early Drawings / Musical Compositions (1904-1907)
  Frühe Zeichnungen/Musikalische Kompositionen (1904-1907)
 2章 揺りかごから墓場まで(1908―1912)
  From the Cradle to the Grave (1908-1912)
  Von der Wiege bis zum Graab (1908-1912)
 3章 地理と代数の書(1912―1916)
  Geographic and Algebraic Books (1912-1916)
  Geografische und Allgebräische Hefte (1912-1916)
 短い自伝 (アドルフ・ヴェルフリ)
  Shor Life Story (Adolf Wölfli)
  Kurze Lebensbeschreibung (Adolf Wölfli)
 ヴェルフリの形態語彙 (エルカ・シュペリ、マルクス・レーツ描画)
  Wölfli's Vocabulary of Forms (Elka Spoerri/Markus Raetz)
  Wölflis Formenvokabular (Eila Spoerri/Markus Raetz)
 4章 歌と舞曲の書(1917―1922)/歌と行進のアルバム(1924―1928)
  Books with Songs and Dances (1917-1922) /
  Album Books with Songs and Marches (1924-1928)
  Hefte mit Liedern und Tänzen (1917-1922) /
  Albumm-Hefte mit Liedern und  Märschen (1924-1928)
 5章 葬送行進曲(1928―1930)
  Funeral March (1928-1930)
  Trauer-Marsch (1928-1930)
 6章 ブロートクンスト――日々の糧のための作品(1916―1930)
  Bread Art (1916-1930)
  Brotkunst (1916-1930)

アール・ブリュットの体現者としてのアドルフ・ヴェルフリ (服部正)
Adolf Wölfli: The Embodiment of Art Brut (Tadashi Hattori)
ハラルト・ゼーマンがみるアドルフ・ヴェルフリ――3つの展覧会をめぐって (河田亜也子)
Adolf Wölfli through the Eyes of Harald Szeemann: A Consideration of Three Exhibitions (Ayako Kawada)

アドルフ・ヴェルフリ年譜
Adolf Wölfli Chronology
展覧会歴/Exhibtions
参考文献/References
出品リスト/List of Works/Verzeichnis der Werke



ヴェルフリ 03



◆本書より◆


「アドルフ・ヴェルフリ」(ダニエル・バウマン)より:

「孤児であり、(中略)農場の下男、放浪労働者、こそ泥、囚人、あるいは精神疾患者である彼は、人々から社会の範疇外とされた者としての人生を送り、幾重にもアウトサイダーであり、またそうあり続けるべきだった。当時は、今日でもそうなのだが、社会はアウトサイダーや抑圧された人が独自の言語を持ちそれを発揮することを望まない。全くその逆だ。ポスト植民地主義やフェミニズムの研究が示したように、言語は、むしろこれらの除外を助長するものであり、抑圧の重要な道具でもあった。ヴェルフリにおいてもしかり、まさに、自身を除外することに使われた、その言語を奪取するほかなかったのだ。そうすることで、彼自身が権限を得、彼の芸術とそれに密接した「自分自身」の新たな発見が、他の人から見れば雑多な誇大妄想以外の何物でもなかったとしても、文字通り並外れたとてつもない大事業になったのだ。ヴェルフリにしてみれば、彼自身の言語(とはいえ、それはたえずよそ者であることを特徴づけるものなのだが)を発展させてひとつの作品を構成しようと、他人の言語で理解したのである。」

「外の世界は彼にとってはほとんど架空の世界なのだ。一方、内面世界は現実である。あるいは、内面世界を現実にさせたかったのだ。」



「アール・ブリュットの体現者としてのアドルフ・ヴェルフリ」(服部正)より、ジャン・デュビュッフェの言葉:

「あっぱれなヴェルフリは、違反という点で言うまでもなくステーよりも遠くまで行った。医者たちはためらうことなく決断を下す。これは取り返しがつかないほど狂っていると。しかし、狂気というものについて、ここで自問してみなければならない(少なくとも、偉大なる創造者であるステーやヴェルフリに押し付けられたこの狂気については。なぜなら、まったく共通性のないあらゆる種類の違反が、狂気というひとつの便利なかごに一緒に放り込まれているからだ)。ここでの狂気とは、あらゆる領域における既存の秩序を見直すという断固たる態度や、それを解体して革新する強い意志とただ同一視されているだけなのではないか。」

「ヴェルフリやアロイーズのような人は、単に彼らが芸術家であるという理由で監禁されていたのです。彼らは自分の芸術を可能な限り押し進めました。彼らは彼らの芸術を生きていたのです。アール・ブリュットとは、芸術的創作をできるところまで押し進めたものです。他の芸術家たちは、自分の芸術をほんの半分しか信じられず、芸術の外側にある慣習的な人生を生きていたのです。狂気とは偉大な芸術です。たとえば、ヴェルフリがそうであったように。」



ヴェルフリ 02



























































































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難破した人々の為に。

分野: パタフィジック。

趣味: 図書館ごっこ。

好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

将来の夢: 石ころ。

尊敬する人物: ジョゼフ・メリック、ジョゼフ・コーネル、尾形亀之助、森田童子。

ハンス・アスペルガー・メモリアル・バーベキュー。

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