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リチャード・ハル 『他言は無用』 越前敏弥 訳 (創元推理文庫)

リチャード・ハル 
『他言は無用』 
越前敏弥 訳
 
創元推理文庫 Mハ-6-2 

東京創元社 
2000年11月24日
299p 
文庫判 並装 カバー
定価600円+税
カバーデザイン: 柳川貴代
カバーイラスト: 牛尾篤



KEEP IT QUIET
by
Richard Hull
1935


ハル 他言は無用


カバー裏文:

「英国紳士の社交場――クラブ。憩いを求めて三々五々、会員たちは足を運ぶ。名探偵気取りの弁護士、すべての人の望みをかなえようとして、すべての望みをかなえられない幹事殿、苦情に生きがいを見いだす問題児、わが道をゆくシニカルな開業医……彩豊かな配役が右往左往するなか、動きだした物語はどこへ転がってゆくのか? 『伯母殺人事件』の技巧派が贈る、趣向三昧の第二長編。」


扉文:

「ロンドン一の美味を堪能できる(?)ホワイトホール・クラブで、椿事が持ちあがった。夕食の特製スフレに過塩化水銀の塗り薬を使ってしまったかもしれない、と青くなって報告した料理長。駆けつけてみれば、なるほど、それを食べた会員は永眠していた。体面を慮った幹事のフォードは心機能障害ということで収拾をはかったが、まもなく奇妙な脅迫状が舞いこみはじめる。田園を舞台にした名作『伯母殺人事件』から一転、技巧派リチャード・ハルが都会の真ん中に演出する風変わりな物語。旺盛な諷刺精神で紳士階級を笑いのめす、純英国産ミステリ!」


目次:

1 バニラ・エッセンス
2 壜ちがい?
3 機械じかけの医師(ドクター・エクス・マキナ)
4 幹事の苦悩
5 医師の命令
6 丸揚げか、切り身揚げか?
7 木曜日の夕食
8 十二の項目
9 長椅子にて
10 静かなる勝負
11 “パーマー”
12 奇妙な行動
13 わかれ道
14 一寸の虫にも
15 コーヒーを飲みながら
16 楽しい楽しいクリスマス
17 聡明なるシャーロック
18 四号寝室にて
19 素人の毒殺者
20 シェリーの件
21 みごとな選択
22 緑をまとう者
23 蜘蛛か蠅か?
24 『メラネシアの生活様式』
25 崩れた信頼関係
26 ふたたび、シェリー
27 分析
28 最後の安堵
29 カードネルの報告
30 反復の問題
31 最後の口どめ
32 最後の二通

解説 (森英俊)




◆感想◆


前作『伯母殺人事件』は、新人類(新世代)の甥の無邪気な殺意など保守主義者(旧世代)の伯母の「道徳」的殺意の前ではひとたまりもない、という話でした。
本作は、厄介者も社交クラブに必要な構成員ではあるが、毒殺の疑いのある死に方をしてもクラブの存続のために病死として片付けられ、「他言は無用」として事件はなかったことにされてしまう、という話です。
じつに「英国ミステリ」でありまして、問題児を適当にあしらいつつ最終的には厄介払いしてしまう「伯母」も「クラブ」も「大英帝国」のカリカチュアでありましょう。おそろしい限りであります。



















































































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ひとでなしの猫

Author:ひとでなしの猫
 
うまれたときからひとでなし
なぜならわたしはねこだから
 
◆「樽のなかのディオゲネス」から「ねこぢる」まで◆

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Away with the Fairies

難破した人々の為に。

分野: パタフィジック。

趣味: 図書館ごっこ。

好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

将来の夢: 石ころ。

尊敬する人物: ジョゼフ・メリック、ジョゼフ・コーネル、尾形亀之助、森田童子。

ハンス・アスペルガー・メモリアル・バーベキュー。

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