生田耕作 編訳 『書痴談義』

「ご覧のとおり、本の洪水でして、本で溺れ死にそうです。このままだと、本に殺されてしまいますな。」
(ジョルジュ・デュアメル 「書痴談義」 より)


生田耕作 編訳 
『書痴談義』


白水社 
1983年11月10日 印刷
1983年11月20日 発行
186p 口絵(カラー)1葉 図版2葉
菊判 仮フランス装 貼函 
定価2,400円



本書「編者後記」より:

「先に上梓した『愛書狂』の後を受けて、このたびは、世紀末から現代にわたる小説作品の中から、同工異曲の四篇を選び集めて一本に編み、題して、『書痴談義』という。
 ジョン・カーター氏の洒落た辞典の定義によれば、〈書痴〉 bibliophile とは、ただの本好きとは異なり、〈目にいささかの狂気を宿した〉連中にして初めてこの称号を授けられる資格を有するものらしい。愛書狂 bibliomaniac への距離は紙一重である。」
「万事計算づくめ、理屈づくめの世の中に、〈書痴〉ほど哀(かな)しくも可笑(おか)しい人種はない。」
「本輯もまた『愛書狂』『書斎』に次いで恩地源三郎氏との共編であることをお断りしておく。」



「アルドゥス版殺人事件」に本文中図版1点、別丁挿絵図版2点。


生田耕作 書痴談義 01


目次:
 
口絵
 製本装幀 P. ピュルゴルド( ―1830)

書庫の幻 ピエール・ルイス
シジスモンの遺産 オクターヴ・ユザンヌ
書痴談義 ジョルジュ・デュアメル
アルドゥス版殺人事件 ローレンス・G・ブロックマン
 
作者紹介
編者後記

 
 
生田耕作 書痴談義 02

本体表紙。



◆本書収録作品概要◆


・ピエール・ルイス 「書庫の幻」
家にひとり残された十二歳の少女が、普段入ることを許されない書庫を探検する。そこで見つけた大判の『イスパニア聖者伝』の口絵の銅版画に描かれたイエズスの聖テレジアの幻から、自分のこの先の人生を予言される。

・シオクターヴ・ユザンヌ 「ジスモンの遺産」
ラウールの書物収集のライバルであったジスモンが死んだ。全ての蔵書は五十八歳の従妹に譲られたが、遺言によって、蔵書が散逸せぬよう売却を禁止し、一冊たりとも持ち出してはならないとされていた。どうしてもジスモンの蔵書を手に入れたいラウールは、ジスモンの従妹と結婚しようと画策する。

・ジョルジュ・デュアメル 「書痴談義」
愛書家クールタン氏は、蒐集癖が昂じて、「ボードレールの指の爪の切り屑」にまで手を出すに至る。

・ローレンス・G・ブロックマン 「アルドゥス版殺人事件」
五十万フランの値打ちがあるアルドゥス版『ポリフィロの夢』をめぐる殺人事件。作者は現代アメリカの推理小説作家。
「愛書小説として、本篇が他の諸作品にくらべて、なんとなく迫力に欠けるのは、登場人物たちの書物に注ぐ情熱が、(中略)〈投資〉の域を出ず、計算を無視した「書痴」の哀れさおかしさに無縁であるところから発する、読後感の食い足りなさとつながるのではないだろうか。」


生田耕作 書痴談義 03

本文枠飾。


生田耕作 書痴談義 04















































































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ひとでなしの猫

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ひ-2-改(ひとでなしの猫 2 改訂版)

◆「樽のなかのディオゲネス」から「ねこぢる」まで◆

難破した人々の為に。

分野: パタフィジック。

趣味: 図書館ごっこ。

好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

将来の夢: 石ころ。

尊敬する人物: ジョゼフ・メリック、ジョゼフ・コーネル。

ハンス・アスペルガー・メモリアル・バーベキュー。

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