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『駒井哲郎 1920―1976』 (2011年)

「白い紙の上に影を落した一条の糸屑とか、レースの切れ端、あるいは毀れた古時計のゼンマイから、未だ生れぬ昔の記憶が忽然と浮び上ることがある。僕は僕の心の中心でその記憶に獅嚙みつき現実では果し得ない素晴しい未見の世界を希求するのだが。それは『奥深き暗きひとつの統一』にも似て、音楽のようで夜のようで又朝のようでさえある。そしてなんでもなかった色々の形体が段々と意味を持って来て微生物のように魚のように又光のように動きだす。人間は大昔には水棲動物ででもあったのか」
(駒井哲郎 「銅版画について」 より)


『駒井哲郎 
1920―1976』

Tetsuro Komaï Retrospective


編集: 町田市立国際版画美術館/山口県立萩美術館・浦上記念館/伊丹市立美術館/郡山市立美術館/新潟市美術館/世田谷美術館/東京新聞
執筆: 福原義春/清水真砂/滝沢恭司/藤村忠範/岡本梓/杉原聡/永山多貴子/石垣雅美/野田吉郎
デザイン: 桑畑吉伸
制作: コギト
発行: 東京新聞
2011年
304p 
20.6×20.6cm
角背紙装上製本(継ぎ表紙)


2011年4月9日―6月12日
町田市立国際版画美術館
2011年7月5日―8月7日
山口県立萩美術館・浦上記念館
2011年10月29日―12月18日
伊丹市立美術館
2012年1月5日―2月12日
郡山市立美術館
2012年2月18日―4月15日
新潟市美術館
2012年4月28日―7月1日
世田谷美術館



図録。作品図版386点。解説中参考図版(モノクロ)8点、年譜中写真図版(モノクロ)9点。その他写真図版(モノクロ)2点(「アトリエにて、1967年」「世田谷のアトリエ」)。



駒井哲郎 1920-1976 01



内容:

ごあいさつ (主催者)
謝辞

「駒井哲郎 1920―1976」展に寄せて (福原義春)
版の迷宮――駒井哲郎福原コレクション (清水真砂)
イメージの探索者 駒井哲郎 (滝沢恭司)

図版
 Ⅰ 銅版画への道 1935―1948頃
 Ⅱ 夢の開花 1948―1953
 Ⅲ 夢の瓦解そして再生 1954―1958
 Ⅳ 充実する制作: 詩画集『からんどりえ』まで 1959―1960
 Ⅴ 新たな表現を求めて 1961―1966
 Ⅵ 充実の刻 1967―1970
 Ⅶ 未だ見果てぬ夢、色彩の開花 1971―1973
 Ⅷ 白と黒の心象風景と乱舞する色彩 1974―1976

作品目録・解説
駒井哲郎の銅版画技法について (滝沢恭司)
年譜 (杉原聡 編)
文献目録 (杉原聡 編)




◆本書より◆


「ごあいさつ」より:

「駒井哲郎(1920―1976)は、銅版画という目に見える「かたち」を通して、目に見えない「こころ」の内を表現した画家でした。夢と現実の織り成すその表現は、おそらく見る者を空想の世界へと誘ってくれることでしょう。しかし、駒井が銅版画に描き出したイメージは、決して非現実的なものだったわけではありません。その表現世界は、人生への懐疑や日常の憂鬱感、ひそやかな期待や心の高揚感といった、きわめて切実で真摯な、内なるこころから生まれました。目を閉じた時に瞼の裏に微かに浮かぶ光の造形や、日常の中で目にした現実としての幻影。駒井はそういったこころの眼で見た現象や現実を、鋭い感性と熟達した技術によって銅版画へと移し変えることに成功した、稀に見る才能豊かな芸術家でした。
 本展では、そうした駒井芸術の全貌を、資生堂名誉会長の福原義春氏が蒐集した約500点という大コレクションでご紹介します。」




駒井哲郎 1920-1976 05



「果実の受胎 1953年」



駒井哲郎 1920-1976 07


「ある空虚 1957年」



駒井哲郎 1920-1976 03


「海の中の静物 1968年」「大樹を見あげる魚 1968年」



駒井哲郎 1920-1976 04


「銅版画集『九つの夢から』」(1970年)より。



駒井哲郎 1920-1976 06


「花 1974年」





こちらもご参照ください:

駒井哲郎 『白と黒の造形』 (新装版)
駒井哲郎 『増補新版 銅版画のマチエール』
河田清史 『ラーマーヤナ ― インド古典物語』 (レグルス文庫) 全二冊
『埴谷雄高作品集 2 短篇小説集』




























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将来の夢: 石ころ。

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