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Stephen Skinner &c. 『Splendor Solis』

「The alchemists believed that if they could bring the *prima materia* to perfection through the correct sequence of actions by the Elements, it would become gold. The presence of gold in the mines made it seem that the process of transmutation was possible, as nature had apparently already partly completed it. The alchemists, however, thought that they could speed up nature's work and arrive at gold many aeons before nature.」
(『Splendor Solis』 より)


Stephen Skinner, Rafał T. Prinke, Georgiana Hedesan and Joscelyn Godwin
『Splendor Solis』
The World's Most Famous Alchemical Manuscript


Watkins, London, 2019
175pp, 26.7x18.7cm, hardcover

Cover design: Georgina Hewitt
Typeset in Carre Noir
Colour reproduction by XY Digital
Printed in China



アマゾンでいろいろとみていたら本書が出ていたのでマケプレのブックデポジトリーさんで新品を注文しておいたのが届いたのでよんでみました。新品といえども洋書ゆえ小スレ・小イタミがありました。角背紙装上製本、カバー(ダストジャケット)は元から無いタイプです。
カラー図版22点、モノクロ図版1点。



splendor solis 01



Contents:

An Introduction to *Splendor Solis* (Stephen Skinner)
History and Authorship of *Splendor Solis* (Rafał T. Prinke)
Inventing an Alchemical Adept: *Splendor Solis* and the Paracelsian Movement (Georgiana Hedesan)
Commentary on the Text and Plates of *Splendor Solis* (Stephen Skinner)
Translation of the Harley Manuscript (Joscelyn Godwin)
Glossary of Alchemical Philosophers and Works referred to in *Splendor Solis* (Georgiana Hedesan)
Index




splendor solis 02



◆本書について◆


本書は16世紀の著名な錬金術文書『Splendor Solis』(太陽の光輝)の研究書で、大英図書館所蔵ハーレー写本の彩飾画全22点のカラー図版とジョスリン・ゴドウィンによる本文英訳、三人の研究者による論文および図版解説によって構成されています。
スティーヴン・スキナーによる序文では、本書は錬金術の「大いなる業」(the Great Work)すなわち原物質(prima materia)から賢者の石(Philosphers' Stone)を生成する術(卑金属を土中で黄金に育成する自然の業をスピードアップして模倣する術)の物理的な過程をシンボリックに記述したものであり、またそのようなものとして読まれるべきであって、ユング派学者による心理学的解釈や、22という数からタロットとの関連を示唆するような魔術的(「黄金の夜明け団」的)解釈は退けるべきであると示唆されています。
ラファル・プリンケ「『スプレンダー・ソリス』の歴史とその著者」では、本書は錬金術の中世的伝統からバロック的伝統への過渡期に位置するものであるとして、その著者と画家がどのような人物であったかが推定されています。
ジョージアーナ・ヘデサン「アデプト(熟達者)の捏造: 『スプレンダー・ソリス』とパラケルスス運動」では、パラケルスス主義者たちによる改革運動の一環として、本書の著者とみなされてきたサロモン・トリスモジン(Salomon Trismosin)が、東方(エジプト)由来の「古代の知恵」(prisca sapientia)をパラケルススに伝授したアデプトとして捏造されるようすが、トリスモジンの自伝(と称するもの)等も紹介しつつ検証されています。



◆本書より◆



splendor solis 03


図1 
大いなる術(the Work)の原理。



splendor solis 05


図10 
四大元素からの第五元素の分離。



splendor solis 06


図21
「大いなる業」は料理や洗濯など女性の仕事に擬せられます。
図20では「凝固」(coagulation)の過程に先んじてさまざまな色があらわれるようすが子どもの遊びに擬せられています。ここでいう「遊び」はあらかじめ定められたルールに従う「遊び」ではなくて、すべてをめちゃくちゃにひっくり返してしまうような(英語では「topsy-turvy」と表現されています)自発的な「遊び」です。



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図19
腐敗した黒い太陽=地中に匿され錬金術の作業を待つ黄金。



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図22
赤い太陽=錬金術師によって地中から引き上げられた黄金。







こちらもご参照ください:

セルジュ・ユタン 『錬金術』 有田忠郎 訳 (文庫クセジュ)
スタニスラス・クロソウスキー・ド・ローラ 『錬金術図像大全』 磯田富夫・松本夏樹 訳
Alexander Roob 『Alchemy & Mysticism』 (Taschen)
C・G・ユング 『心理学と錬金術』 池田紘一・鎌田道生 訳 全二冊
種村季弘 『黒い錬金術』







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分野: パタフィジック。

趣味: 図書館ごっこ。

好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

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尊敬する人物: ジョゼフ・メリック、ジョゼフ・コーネル、尾形亀之助、森田童子。

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