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『名所江戸百景』 画: 一立斎広重/文: 宮尾しげを

『名所江戸百景』
画: 一立斎広重
文: 宮尾しげを



集英社
1992年4月8日 第1刷発行
187p 
30.4×20.4cm 
丸背紙装上製本 カバー
定価4,500円(本体4,369円)
装丁: 榎本了壱/アタマトテ・インターナショナル
レイアウト: 後藤市三



本書「凡例」より:

「本巻は、魚屋栄吉板元・一立斎広重画の「名所江戸百景」全百十九点を、目録の順序にしたがって、原色図版で紹介する。」
「原色図版は、原画の保存状態を尊重して、色彩の復元などはあえて行なわなかった。」
「総説及び解説は、集英社刊「浮世絵大系 第16巻 名所江戸百景(一)・第17巻 名所江戸百景(二)」収載の宮尾しげを氏の文を再録した普及版である。」



『名所江戸百景』はなんといっても、ありふれた風景を素材としてこの上なき奇想(コンシート)をくりひろげる未曾有のマニエリスム画集でありまして、トリミングの妙、アングルの妙、トリックの妙、細部に宿る神、鳥に猫に水、たいへんすばらしいですが、じつをいうと本を持っていなかったのでアマゾンマケプレで最安値(送料込880円)の本書を注文しておいたのが届いたのでよんでみました。



名所江戸百景 01



目次:

凡例

原色図版

広重と名所江戸百景
江戸の年中暦
図版解説
地図(名所江戸百景収録図)




◆本書より◆


名所江戸百景 02



「48-1 赤坂桐畑(あかさかきりはた)」

「今の赤坂見附から虎ノ門に通じる外堀通りは、明治初めまで溜池といって、池状になっていた。麹町山王台からの水がこの窪地に落ちて川状になるので、それをこの一帯にためて新橋、芝桜川から品川の海へ流した。(中略)濠の土手に補強もかねて桐の木を植えた。享保年間(一七一六~三五)のことだという。」




名所江戸百景 04



名所江戸百景 04a



「81 高輪(たかなわ)うしまち」

「東海道筋の旅立ちで、高輪は第一宿品川の手前であるので、旅の見送りはここまでとなっていた。(中略)増上寺建立のとき、京都から多くの牛車が江戸にはいってきて、その牛の宿がここにあったので、牛町ともいった。本当の名は車町。すぐ前は品川の海であった。」
「広重の絵にある車は、牛車である。西瓜(すいか)の残欠でまだ暑さを思わせている。一雨降ったあとに出る虹の美しさと、まだ濡れた土の乾かぬ色調が見事に摺られている。」




名所江戸百景 05



名所江戸百景 05a



「90 猿(さる)わか町(ちょう)よるの景(けい)」

「猿若町は台東区浅草六丁目にあった。天保十三年(一八四二)に水野越前守が幕府の政治改革の際に、廃滅させるつもりで市中にあった芝居小屋と役者を辺鄙(へんぴ)なこの地に移した。ところが、前に浅草寺観世音があり、後方に吉原という花街があったので、滅びるどころか繁盛してしまった。」
「この絵は西洋風の影を描いているのが珍しい。」




名所江戸百景 06



「115 高田(たかだ)の馬場(ばば)」

「高田馬場というと、忠臣蔵に出てくる堀部安兵衛が、叔父さんの仇討をした場所として知られている。」
「馬場の外側は馬乗り、内側は弓の練習に使われていた。図左に、大きな輪に皮を張ったものが的であって、矢の先は布で包んであるものを使用しているので、これを射ても破れることはない。」




名所江戸百景 07



「117 湯(ゆ)しま天神(てんじん)坂上(さかうえ)眺望(ちょうぼう)」

「文京区の本郷台を、台東区の上野へ下ろうとする際に、湯島天神はある。」
「絵は神社横の女坂から、台東区の不忍池を望んだ構図で、左側の角に茶屋が見えるが、いまは無い。」




名所江戸百景 08



名所江戸百景 08a



「118 王子(おうじ)装束(しょうぞく)ゑの木(き)大晦日(おおみそか)の狐火(きつねび)」

「北区王子二丁目辺が畑であった時分、そこに大きな榎(えのき)の木があった。王子稲荷と向き合っていて、毎年大晦日になると、関東中の狐が、この榎の下に集まって、装束を着替え、正月の挨拶に、関東の稲荷総取締役の王子稲荷社に参籠(さんろう)したという。そのとき、狐火という光を放った。その火の数を見て、人間は翌年の豊作を占ったものだった。」
「大正時代に、王子に町屋が順次できて、名物の大榎も切られることになった。切った人が病気になったり、気が狂ったりしたので、狐のたたりだろうと、人々は恐れて、その榎の切株の上に稲荷神を勧請して、装束稲荷大明神とあがめて社を作った。」










こちらもご参照ください:

田中優子 『江戸百夢 ― 近世図像学の楽しみ』
マックス・エルンスト 『百頭女』 巌谷国士 訳 (眼は未開の状態にある叢書)









































































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難破した人々の為に。

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