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『後撰和歌集』 松田武夫 校訂 (岩波文庫)

「ねられぬをしひてわがぬる春の夜の夢をうつゝになすよしもがな」
(『後撰和歌集』 より)


『後撰和歌集』 
松田武夫 校訂 
 
岩波文庫 黄/30-027-1 


岩波書店 
1945年2月15日 第1刷発行
1983年11月7日 第2刷発行
288p 
文庫判 並装
定価400円



本書「凡例」より:

「一、本書の底本は、定家本系統中、書寫年代舊く本文の秀れた、武田祐吉博士藏傳龜山天皇宸翰本(重要美術品)を以てした。
一、校訂に當つては、原本に忠實ならんことを期したが、例へば、前田侯爵家藏傳浄辨筆本、宮内省圖書寮尊藏の二條爲世筆似書本、流布本等の諸本を參照し、適當ならざる箇所を訂正した。而してそれ等一々に就いては註記を附した。
一、各歌の頭には、番號を記して檢索の便を計つた。
一、讀みを容易ならしめるために、送りがなを送り、かなに漢字を當て、かなづかひの誤はこれを訂正し、濁點をほどこし、詞書には句讀點を、また漢文には返り點を附けた。
一、卷末に、初句索引ならびに人名索引を添へた。」



旧字・旧かな。



後撰和歌集 01



帯文:

「八代集のうち『古今和歌集』に次ぐ第二番目の勅撰和歌集。天暦五年(951)編纂が開始され、貫之・伊勢等の情趣的な歌を多く収める。」


目次:

解題
凡例

卷第一 春上
卷第二 春中
卷第三 春下
卷第四 夏
卷第五 秋上
卷第六 秋中
卷第七 秋下
卷第八 冬
卷第九 戀一
卷第十 戀二
卷第十一 戀三
卷第十二 戀四
卷第十三 戀五
卷第十四 戀六
卷第十五 雜一
卷第十六 雜二
卷第十七 雜三
卷第十八 雜四
卷第十九 離別・羇旅
卷第二十 慶賀・哀傷

人名索引
初句索引




後撰和歌集 02



◆本書より◆


「解題」より:

「わが國最初の勅撰和歌集を撰せしめたまうた醍醐天皇の古今和歌集に次いで、村上天皇は天暦の御時、第二番目の勅撰和歌集として、後撰和歌集の編纂を、梨壺の五人――源順・大中臣能宣・紀時文・清原元輔・坂上望城にお命じになつた。」
「後撰和歌集は、略して、後撰集とも、後撰ともいはれるが、その名の意義は、榮花物語に、「古今に入らぬ歌を、昔のも今のも撰せさせたまひて、後に撰すとて、後撰集といふ名を附けさせたまう」たといつてゐるやうに、古今集の後に撰んだ歌集といふ意味である。」
「選歌は、天暦當代に重きを置かないで、前時代を主としてゐる點は、本集が、專ら古今集を宗として、古今集の後を受けて、古今集的な歌風を支持し、これが完成を計らうとしたことを意味してゐる。從つて、この集に歌を多く採られた歌人は、古今集時代の貫之・伊勢・兼輔・躬恒・時平・業平・忠岑などで、撰者五人の詠歌は一首も採られてゐない。」
「勅撰和歌集の歴史は、古今和歌集を出發として、後撰和歌集を經、拾遺・後拾遺・金葉・詞華に到り、更に千載集を經て、新古今集に至つて、一應の發展を終つた。後撰和歌集の意義は、このやうな、勅撰和歌集の歴史的發展の途上に於て、古今和歌集を祖述し、拾遺和歌集への橋渡しをした點に位置附けて見て行くことに於て、初めて正當な理解が得られるのである。」



「春上」より:

   「題しらず  閑院左大臣
一六 なほざりに折りつるものを梅の花濃き香に我や衣染めてん」



「春中」より:

   「題しらず  よみ人も
七六 ねられぬをしひてわがぬる春の夜の夢をうつゝになすよしもがな」



「春下」より:

   「つらゆき
一二七 棹させど深さもしらぬふちなれば色をば人もしらじとぞ思ふ」



「秋上」より:

   「よみ人しらず
二五三 秋風の草葉そよぎて吹くなべにほのかにしつるひぐらしの聲」



「秋中」より:

   「小野美材
三二一 秋の池の月のうへこぐ船なれば桂の枝に棹やさはらむ」



「秋下」より:

   「月の夜に紅葉の散るをみて  よみ人しらず
四〇一 もみぢ葉の散りくるみれば長月のありあけの月の桂なりけり」

   「延喜の御時、秋の歌召しければ奉りける  紀貫之
四三四 秋の月ひかりさやけみもみぢ葉の落つるかげさへみえわたるらん」



「冬」より:

   「題しらず  よみ人も
四五七 神無月かぎりとや思ふもみぢ葉のやむ時もなくよるさへぞふる」



「戀四」より:

   「身より餘れる人を思ひかけて遣しける  紀友則
七九九 玉藻かるあまにはあらねどわたつうみの底ひもしらず入る心かな」

   「返事侍らざりければ、又かさねてつかはしける
八〇〇 みるもなくめもなき海の濱に出で返る/\もうらみつるかな」







こちらもご参照ください:

『拾遺和歌集』 武田祐吉 校訂 (岩波文庫)








































































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