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『三奏本 金葉和歌集』 松田武夫 校訂 (岩波文庫)

「このよには山の端出づる月をのみ待つことにてもやみぬべき哉」
(『金葉和歌集』 より)


『三奏本 
金葉和歌集』 
松田武夫 校訂
 
岩波文庫 黄/30-030-1 


岩波書店
1938年6月1日 第1刷発行
1994年3月8日 第4刷発行
185p 
文庫判 並装 カバー
定価460円(本体447円)
カバー: 中野達彦



本書「凡例」より:

「一、本書には金葉和歌集の決定的本文たる三奏本金葉和歌集を收めることとした。
一、三奏本の外に、流布本の本文をも併せ收録せんが爲め、本文の後に、附録として流布本にあつて三奏本に無い歌を載せた。
一、本書の底本は、平瀨陸氏藏傳後京極攝政良經筆三奏本金葉和歌集に據つた。」



旧字・旧かな。「リクエスト復刊/94年 春」。



金葉和歌集 01



カバーそで文:

「撰者源俊頼をはじめ藤原公実・顕季ら当代歌人の詠を大巾に採用し、和歌史に清新の風を吹きこんだ、平安後期の第五勅撰集。」


内容:

解題
凡例

卷第一 春九十七首
卷第二 夏五十首
卷第三 秋百十一首
卷第四 冬五十四首
卷第五 賀廿七首
卷第六 別離廿五首
卷第七 戀六十七首
卷第八 戀下八十四首
卷第九 雜上九十八首
卷第十 雜下四十六首

附録 流布本にありて三奏本に無き歌

註記
索引
 初句索引
 人名索引




◆本書より◆


「解題」より:

「金葉和歌集の價値は、和歌史的に考へた場合、八代集の中軸に位置し、その史的展開に一時期を劃した勅撰歌集である點に存してゐる。即ち金葉集以前の後撰・拾遺・後拾遺の各集は、古今集の傳統を直接的に繼承してゐるのに反して、金葉集に到ると、かゝる古今集的な舊套を脱し、より新しきものへ發展せんとする成長的な性格が鮮明さを加へてゐるからである。(中略)この集に於ては、新しき金葉集時代の歌人の詠藻が大半を占め、素材的にも表現樣式の上にも新鮮味が增したのであつた。その他この集は從來の勅撰集が等しく二十卷であるのとは異り、十卷の組織を有する點や、金葉といふ獨自の名稱を持つに至つたこと、更に卷十の最後に、初めて連歌の部を設けて、連歌を和歌と同一水準にまで高め得た點等は、確かに金葉集の特異性を物語るものである。
 さて金葉集は、崇德天皇の天治元年に、白河上皇の院宣によつて、源俊賴が撰者に任命されて撰集に着手し、三年後の大治二年に奏覽に供し、御嘉納あらせられたのである。然るにその四年間に、俊賴は再度に渡り上皇の雌黄を仰いでゐるが、その都度御返却になつた。從つてこれ等の各のほんをふつう初度本及び二度本と稱してゐる。(中略)今日金葉集の本文として世間に行はれてゐる諸本は、殆どこの二度本の種類に屬するものである。三度目上奏御嘉納の本を三奏本といふが、(中略)一般の人々は到底その内容を窺知することは出來ず、(中略)その後松田直兄が天保九年に、後京極攝政良經筆と傳へる三奏本の古鈔本を忠實に摸刻公刊するまでは、この三奏本は世に埋もれて知られなかつた。」



「卷第一」より:

   「夜思落花といふことをよめる  隆源法師
六七 衣手(ころもで)に晝(ひる)は散(ち)りつる櫻花(さくらばな)夜(よる)はこゝろにかゝるなりけり」



「卷第二」より:

   「郭公をよめる  皇后宮式部
一二二 郭公(ほとゝぎす)雲の絶間(たえま)にもる月の影(かげ)ほのかにも鳴(な)きわたるかな」

   「攝政左大臣家にて、夏月をよめる  神祇伯顯仲
一三五 夏(なつ)の夜の庭(にわ)に降(ふ)りしく白雪は月のいるこそ消(き)ゆるなりけれ」



「卷第四」より:

   「庭雪をよめる  和泉式部
二八四 待(ま)つ人の今(いま)も來(き)たらばいかゞせん踏(ふ)まゝく惜(を)しき庭(には)の雪かな」



「卷第九」より:

   「百首哥中に、山田をよめる  修理大夫顯季
五五六 蜩(ひぐらし)の聲(こゑ)ばかりする柴(しば)の戸(と)は入(いり)日のさすにまかせてぞ見(み)る」



「附録」より:

   「月は旅の友といへる事をよめる  法橋忠命
草枕このたびねにぞ思ひしる月よりほかの友なかりけり」

   「戀の歌人々よみけるによめる  源俊賴朝臣
あさましやこは何事の樣ぞとよ戀せよとても生れざりけり」

   「對山待月といへる事をよめる  藤原正季
このよには山の端出づる月をのみ待つことにてもやみぬべき哉」







こちらもご参照ください:

『詞華和歌集』 松田武夫 校訂 (岩波文庫)






























































































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