『久生十蘭 ― 遁走するファントマ』 (叢書 『新青年』)

「ポオを読むと、あゝいふ所まで行つて見たいと思ふ。(中略)このあひだ「鋸山(のこぎりやま)奇譚」といふのを読んだが、あゝいふ現実と夢幻の混ぜ方は面白いね。」
(久生十蘭 「探偵作家四方山座談会」 より)


『叢書 「新青年」
久生十蘭
― 遁走するファントマ』

監修: 江口雄輔・川崎賢子

博文館新社 
1992年7月7日 初版第1刷発行
315p 口絵i 
四六判 丸背紙装上製本 カバー
定価2,800円(本体2,718円)
カバーデザイン: 西山彰



本書「凡例」より:

「本巻では、久生十蘭=阿部正雄の函館新聞社時代(昭2=一九二七)からその死の前年(昭和31=一九五六)までを扱い、これまでに単行本未収録だった小説・随想・戯曲・座談会などを掲載した。」


叢書新青年 久生十蘭 01


帯文:

「遁走するファントマ・十蘭の軌跡
未刊行作品を中心に、出発点から戦後まで
「久生十蘭が初期に書いた会見記は時代の空気をよくつたえている。とおして読むのがたのしみだ。」
鶴見俊輔」



帯裏:

「大正から昭和へ――幻の作品群を作家別に
叢書『新青年』第1期5巻
 第1回 久生十蘭――遁走するファントマ
 第2回 渡辺温――ラ・メデタの彗星
 第3回 聞書抄――まだ見ぬ物語のために
 第4回 小酒井不木――「幻想有理」の探偵劇
 第5回 谷譲次――言語表現の遠心力」



目次 (初出):

Ⅰ プレ十蘭の時代
 アヴォグルの夢 遠近法を捜す透明な風景 (函館新聞 1927(昭和2)年2月28日)
 典雅なる自殺者 心臓を失つた憂鬱な論理学 (函館新聞 1927(昭和2)年3月7日)
 ぜじゅ・くり (函館新聞 1927(昭和2)年4月18日)
 へんな島流し (函館新聞 1927(昭和2)年5月2日)
 蛇の卵(別辞にかへて) (函館新聞 1928(昭和3)年3月19日。この記事を最後に新聞社を退職。)
 亡霊はTAXIに乗つて (生 第3巻第1号 1928(昭和3)年10月15日。「生」は函館の文芸同人誌。)

Ⅱ 演劇人・十蘭の横顔
 骨牌遊びドミノ(五幕) (悲劇喜劇 6号 1929(昭和4)年3月1日)
 村の飛行兵 (大政翼賛会宣伝部発行の小冊子。1943(昭和18)年)
 第○特務隊 (新青年 1944(昭和19)年6月号)
 女の四季 (小説の泉 1950(昭和25)年8月号)

Ⅲ 語る十蘭
 三十分間会見記 頭の中の自動車(山田耕筰先生と語る) (新青年 1935(昭和10)年5月号)
 探偵作家四方山座談会 (新青年 1939(昭和14)年5月臨時増刊号。出席者は他に大下宇陀児、渡辺啓助、海野十三、延原謙、城昌幸、荒木十三郎、松野一夫。記者: 水谷準。)
 連作「キヤラコさん」に就て (新青年 1939(昭和14)年8月号)
 身を固めるために (オール読物 1952(昭和27)年4月号。第26回直木賞受賞の言葉として書かれた。)
 あとがき (『直木賞作品集』第2巻(講談社) 1956(昭和31年)10月。自作解説。)

久生十蘭論 川崎賢子
久生十蘭研究史 江口雄輔
久生十蘭年譜 (江口雄輔作成)



叢書新青年 久生十蘭 02


「昭和30(1955)年6月15日 鎌倉材木座の久生十蘭邸にて 撮影: 田沼武能」。



◆本書より◆


『直木賞作品集』第2巻「あとがき」より:

「歴史小説(中略)には全然気がないけれども、創作を実録らしく見せかけるのは、もつとも好むところだ。勤勉な贋金つくりのように、暇と労力をかけ、(中略)通用するところまでつき抜けたいという熱意だけでやつているものの如くである。」











































































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ひ-2-改(ひとでなしの猫 2 改訂版)

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難破した人々の為に。

分野: パタフィジック。

趣味: 図書館ごっこ。

好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

将来の夢: 石ころ。

尊敬する人物: ジョゼフ・メリック、ジョゼフ・コーネル。

ハンス・アスペルガー・メモリアル・バーベキュー。

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