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塚本邦雄 『詩歌博物誌 其之弐』

「彼の特異体質的美学は、健康馬鹿の市民達には、疫病の根源のやうに指弾された。」
(塚本邦雄 「ムンク」 より)


塚本邦雄 
『詩歌博物誌 
其之弐』


彌生書房 
1998年4月30日 初版印刷
1998年5月10日 初版発行
209p 
四六判 
丸背紙装上製本 カバー 
定価2,600円+税
装訂: 政田岑生 
装画: 加藤俊彦

 

「本書は、「黄鐘(わうじき)」に連載中の「黄鐘歳時記」第五十一回から第百回(一九九〇年三月号―一九九四年四月号)までをまとめたものです。」


新字・正かな。


塚本邦雄 詩歌博物誌 02 01


帯文:

「陶然として一人自ら味わう。時に蝶影風に舞い、螢明草を点す。
芳花滴露の言葉」



帯背:
 
「草木螢雪鳥蝶繭卵」


塚本邦雄 詩歌博物誌 02 02


目次:

蜆汁
すみれ
もぢずり
菖蒲
辣韮
月見草
男郎花
唐辛子
通草
寒鴉
冬紅葉
牡丹榾
春蘭
馬酔木
磔像
蝮草
我鬼忌
月の碑
水引草
酒ほがひ
ポプラ
邪宗門
辛夷
雪しまく
梢の花
紫雲英
青棗
さくらんぼ
サン・フェルミン祭
夾竹桃
きささげ
秋ざくら
唐辛子 2
山眠る
帚木
傀儡 2
春の雪
花林檎
蒲公英
ほととぎす
とろろあふひ
曼陀羅華
洎夫藍

花野
冬欅
佛手柑
ムンク
サン・セバスティアン
桐の花 2

跋 草木螢雪鳥蝶繭卵



塚本邦雄 詩歌博物誌 02 03



◆本書より◆


「跋」より:

「この博物誌、改めてことわる要もないが、型破りの歳時記を書くつもりはなく、故事や末来記に舞文曲筆する所存も皆無である。ただひそかに、目に余る日本語の乱れを糺すといふ悲願は保ち続けてゐる。正漢字使用は諦めたが、歴史的仮名遣ひは断固として護りかつ守り続けてゐる。」


「ムンク」より:

「ムンクのテーマは不安と懊悩と恐怖と苦悶と絶望であり、その具象が吸血鬼、死の踊り、死の部屋で、当時の作家ではイプセンに共鳴し、その激励を受け、ストリンドベルイとは愛憎こもごもの深い交りを持つた。一八九五年の秋、プロムクヴィストの画廊で個展を開かうとすると、街の住人等は寄つてたかつて、「良風美俗」に反する彼の作品をボイコットした。彼らは警察まで動員して、ムンクの制作に制肘を加へた。どこの世界にもある見者の災難だつた。
 一八八〇年代のクリスチャニア・ボエームと呼ばれるノルウェーの前衛芸術運動は、クリスチャニア、すなわち今日のオスロー中心に擡頭した。ミュンヘン、パリから飛火した新思潮ではあつたが、一般民衆がこれを理解するにはなほ、いささかならぬ時間が必要で、彼の特異体質的美学は、健康馬鹿の市民達には、疫病の根源のやうに指弾された。」
「ムンク自身、夭折をさだめられてゐるといふ不安があつた。幼少から病弱な彼は、手記の中に、「病気・狂気・死、これが私の揺籃を見護つてくれた黒い天使群であつた。以来この黒い天使達は、一生、私につきまとつた」と語つてゐる。疾病と死亡こそが、彼の彩管を操るエネルギー源であり、マイナスをマイナス倍するその暗いしかし烈しい原動力が、あの鬱然たる作品群を生んだ。」



塚本邦雄 詩歌博物誌




こちらもご参照下さい:

塚本邦雄 『詩歌博物誌 其之壱』






















































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うまれたときからひとでなし
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難破した人々の為に。

分野: パタフィジック。

趣味: 図書館ごっこ。

好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

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