John Cage "M: Writings '67-'72"

John Cage 
『M: Writings '67-'72』


Wesleyan University Press, 1973
217p, 23.5x19cm, paperback


Wesleyan University Press のジョン・ケージ著作集シリーズ三冊目。
1973年は初版刊行年です。わたしが買ったのは2000年代に入ってからの増刷だとおもいます。

シリーズ内容は:

Silence: Lectures and Writings
A Year from Monday: New Lectures and Writings
M: Writings '67-'72
Empty Words: Writings '73-'78
X: Writings '79-'82


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CONTENTS:

Foreword
Diary: How to Improve the World (You Will Only Make Matters Worse) Continued 1968 (Revised)
62 Mesostics re Merce Cunningham
36 Mesostics Re and Not Re Marcel Duchamp
Mureau
Diary: How to Improve the World (You Will Only Make Matters Worse) Continued 1969
Song
Six Mesostics (Present; On the windshield of a new Fiat for James K. and Carolyn Brown; In Memoriam S.W.; July 13, 1972; For A.C. on his 70th birthday; Ten years before sixty-seven)
Diary: How to Improve the World (You Will Only Make Matters Worse) Continued 1970-71
Mushroom Book
25 Mesostics Re and Not Re Mark Tobey
Diary: How to Improve the World (You Will Only Make Matters Worse) Continued 1971-72



「本書のタイトルはアルファベットの二十六文字を易のチャンス・オペレーションにかけることによって得られたものである。私としては、ほかのどの文字でもよかったのだが、「M」は、まさしく、私が長年かかわってきた多くの言葉や名前の頭文字なのだ(音楽 music、きのこ mushrooms、マルセル・デュシャン、M・C・リチャーズ、モリス・グレイヴス、マーク・トービー、マース・カニンガム、マーシャル・マクルーハン)。最近ならメゾスティック mesostics、毛沢東 Mao Tse-tung。「M」はまた、本書に収められた型破りな文章のなかでもよりいっそう型破りな文章である「Mureau」の頭文字でもある。」
(「序文」より。)

「Mureau」は、音楽(Music)とH・D・ソーロー(Henry David Thoreau)を合成した〈かばん語〉で、ソーローの日記から抜き出された音楽(music)や静寂(silence)や音(sounds)に関する発言を「チャンス・オペレーション」にかけることによって書かれています。


john cage - m 2


ケージ本人による「Mureau」の朗読は、Internet Archive のサイトで聞けます:

John Cage studio performance, January, 1979. (January 1, 1979)
A John Cage studio reading of "Mureau", "She's asleep", and "Six melodies for violin and keyboard."
http://archive.org/details/John_Cage_studio_performance_January_1979_79P127

活字で読むとほとんど拷問のような難解なテクストですが、耳で聞くととても心地良いです。私は鬱がひどかったときに、これを CD-R に焼いて一日中寝ながら聞いていました。


「1952年に、私は、モートン・フェルドマン、クリスチャン・ヴォルフ、アール・ブラウン、そしてデヴィッド・チューダーと共に、「音楽的」かどうかの判断とか、記憶とか好き嫌いとか、音と音との相互的係わり合いとかから解き放たれた、ただひたすらに「音」そのものであるような音楽を作り始めた。慣習的な音楽の理論は「楽音」だけを取り扱っていて、「騒音(ノイズ)」に関してはノータッチだったから、必要とされるべきは、ノイズに、ノイズの無法性に立脚した音楽であることは当初から明らかだった。そうしたアナーキーな音楽を作ってしまえば、演奏においては、いわゆる「楽音」さえ包括することができた。」
(「序文」より。)


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「日記(Diary)」シリーズは小話とかも入っていて面白いし、様々な字体やインクの濃淡を使って遊んでいて見た目にも楽しいですが、本書収録の1969年の分に関しては、かなりのページで一部の薄い文字がかすれてしまっていて、判読困難な部分が多々あったので、本書を購入予定の方はそのへんを考慮に入れておくとよいです。


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プロフィール

ひとでなしの猫

Author:ひとでなしの猫
ひ-2-改(ひとでなしの猫 2 改訂版)

◆「樽のなかのディオゲネス」から「ねこぢる」まで◆

難破した人々の為に。

分野: パタフィジック。

趣味: 図書館ごっこ。

好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

将来の夢: 石ころ。

尊敬する人物: ジョゼフ・メリック、ジョゼフ・コーネル。

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