岡部紘三 『フランドルの祭壇画』

岡部紘三 
『フランドルの祭壇画』


勁草書房 
1997年6月20日 第1版第1刷発行
250p まえがき・目次・凡例vi 索引vi 
A5判 丸背紙装上製本 
カバー ビニールカバー 
定価3,400円+税
装丁:  寺山祐策



本書「あとがき」より:

「本書で扱った十点ほどのフランドルの祭壇画は、それぞれの画家の代表作といってよいが、その選定にあたっては、主題の多様性と相互の関連も考慮した。ほぼ一世紀のフランドル画の歩みを概観する、通史的な趣をもたせたかったためである。」
「本書は、所管の大学の紀要などに発表した論文をまとめたものである。まとめるにあたって、字句の統一をはかり、散見した誤りを正すとともに、ときに大幅な加筆修正をおこなった。」



著者は1941年生、ロンドン大学・ウォーバーク研究所にて研修。
本文中図版(モノクロ)89点、地図1点。


岡部紘三 フランドルの祭壇画 01


帯文:

「アルプスの北、フランドルの
黄金期の祭壇画
その様式分析、意味の解明を通し、
油彩技法の開発、新しい自然観察、近空間からの室内描写etc、
イタリアとは異なる独自の魅力を探る。」



帯背:

「独自の魅力探る!」


カバー/扉文:

「本書の意図するところは、十五世紀初頭から十六世紀初頭までの、一世紀にわたる古ネーデルランド、とくにフランドルの祭壇画を個別にあつかい、様式の分析と意味の解明をとおして、その魅力を探ることにある。絵画作品の個別研究ではあるが、それをもとにして、ロベール・カンパン、ヴァン・アイク兄弟の時代から、クェンティン・マセイスにいたる、ほぼ一世紀におよぶフランドルの絵画の流れを概観することにもなろう。」



目次:

まえがき

一章 メローデ祭壇画 (ロベール・カンパン)
http://en.wikipedia.org/wiki/M%C3%A9rode_Altarpiece
二章 ゲントの祭壇画 (ヴァン・アイク兄弟)
http://en.wikipedia.org/wiki/Ghent_Altarpiece
三章 ボーヌの祭壇画 (ロヒール・ヴァン・デル・ウェイデン)
http://en.wikipedia.org/wiki/The_Last_Judgment_(van_der_Weyden)
四章 コルンバ祭壇画 (同上)
http://www.wga.hu/html_m/w/weyden/rogier/11columb/0columb.html
五章 聖餐の秘蹟の祭壇画 (ディルク・ボウツ)
http://www.wikipaintings.org/en/dirk-bouts/altarpiece-of-the-holy-sacrament
六章 ポルティナーリ祭壇画 (ヒューホ・ヴァン・デル・グース)
http://www.wikipaintings.org/en/hugo-van-der-goes/portinari-triptych-1478
七章 マリア・ヨハネ祭壇画 (ハンス・メムリンク)
http://www.wga.hu/html/m/memling/2middle2/13john.html
八章 マギの礼拝の祭壇画 (ヒエロニムス・ボッス)
http://en.wikipedia.org/wiki/The_Epiphany_(Bosch)
九章 マセイスの二大祭壇画 (クェンティン・マセイス)
http://www.wga.hu/html_m/m/massys/quentin/1/st_anne1.html
http://www.wga.hu/html_m/m/massys/quentin/1/st_john1.html


主要参考文献
あとがき
ネーデルラント地図
索引



岡部紘三 フランドルの祭壇画 02



◆本書より◆


「まえがき」より:

「フランドルとは、厳密には古ネーデルラントの一州をさすが、ここではもっと広範な地域――現在のベルギー全土と、現オランダの北ブラバント地方を包括する地域を示すこととする。古ネーデルラントの北地区(オランダ)が、新教国として一五八一年に独立宣言を出し、苦難の末にスペイン・ハプスブルク家から分離独立した後も、フランドル地区はハプスブルク家の支配が続いた。オランダ地区の祭壇画が、一五六六年に新教徒によるイコノクラスム(聖像破壊運動)によって少なからず破壊され、制作もやがてとだえたのにたいし、フランドルでは、聖堂や礼拝堂などの需要に応じて引き続き制作され、十七世紀初頭にはルーベンス(一五七七―一六四〇)を迎えることになる。
 ここでいう「祭壇画」(altarpiece)とは、キリスト教・カトリック美術において、聖堂、礼拝堂の祭壇の上、ないしその背後を飾る衝立としての宗教画の意である。典礼のために活用されたわけだから、その形式と内容は、宗教上の機能と密接に結びついている。ミサの儀式にふさわしい主題として、キリスト像、諸聖人像、玉座の聖母などの祈念画的主題のほかに、聖告、降誕、マギの礼拝、キリストの洗礼、最後の晩餐、磔刑、ピエタ、復活、最後の審判などの説話的主題が好んで選ばれた。
 板に描かれた祭壇画には、大規模なものからポータブルなものまでさまざまな大きさがある。フランドル、ドイツなどアルプスの北では、開閉のきく三連祭壇画(triptych)、二連祭壇画(diptych)、多翼祭壇画(polyptych)が好まれた。それにたいしイタリアでは、開閉式の二連祭壇画、三連祭壇画は――その出現は古く、十三世紀にはすでにトスカナを中心にみられるが――小型のものに限られた。十四世紀に隆盛をみた固定式の三連祭壇画、多翼祭壇画にしても、十五世紀以降になるとしだいに姿を消して、正方形ないし縦長矩形の単一画面の祭壇画が主流となった。
 開閉式の祭壇画では、ふだんのときは閉じられ、日曜日や祝祭日などの典礼のときに開けられた。閉じたときの外翼パネルは、単なる装飾文様だけだったり、逆に多彩な図像表現がなされたりしたが、一般的にはグリザイユ(単彩)で彫刻風に図像が表現された。中世では彫刻表現が重視されただけに、あえてこうした擬似彫刻表現が採用されたのである。」






























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