Charles Mingus 『Beneath the Underdog』

「My music is evidence of my soul's will to live beyond my sperm's grave, my metathesis or eternal soul's new encasement. Loved and lovers, oneness, love.」


Charles Mingus 
『Beneath the Underdog』

Edited by Nel King

Vintage Books, Random House, Inc., New York, 1991
8+367pp, 20.5x13cm, paperback

Originally published in hardcover by Alfred A. Knopf, Inc., in 1971



チャールズ・ミンガスの自伝的小説。『負け犬の下で』のタイトルで日本語訳も出ています。


mingus - beneath the underdog


「Some names in this work have been changed and some of the characters and incidents are fictitious.」



◆本書より◆


「"In other words, I am three. One man stands forever in the middle, unconcerned, unmoved, watching, waiting to be allowed to express what he sees to the other two. The second man is like a frightened animal that attacks for fear of being attacked. Then there's an over-loving gentle person who lets people into the uttermost sacred temple of his being and he'll take insults and be trusting and sign contracts without reading them and get talked down to working cheap or for nothing, and when he realizes what's been done to him he feels like killing and destroying everything around him including himself for being so stupid. But he can't - he goes back inside himself."
 "Which one is real?"
 "They're *all* real."」


(「つまり、私は三人いるんだ。一人目はずっとまんなかにいて、無関心、無感動な傍観者で、黙り込んでいる。二人目は怯えた獣みたいで、攻撃されるのがこわくて自分から攻撃する。三人目は愛情深いおだやかな人物で他人がずかずかと土足で上がり込むにまかせ、なんでも頭から信じて、不利な契約をしてタダ働きさせられ、自分が何をされたかに後で気付いてまわりの全てや愚かな自分をめちゃくちゃにしてしまいたいと思ってもできなくて、結局自分自身に閉じこもってしまうんだ。」
「どれが本当の貴方なんです。」
「全部本当の私だ。」)



◆感想◆

 
少年時代に柔道を教えてくれた日本人商店経営者一家との心温まる交遊や、「男らしくなりたい」という妄想に駆られた青年時代の苦悶、若くして死んだファッツ・ナヴァロとの友情などが、精神科医とのユーモラスなやり取りを交えながら、俗語を多用したいかにもアメリカ小説的な文体で描かれています。主人公(ミンガス)の心の病が中心テーマになっているので、ジャズ・ミュージシャンの自伝・回想記というよりは、むしろ『ポートノイの不満』のような一時期流行したサイコセラピー小説の一冊として読むべきかもしれません。かなり本格的な小説になっているのは、「編集」にあたったネル・キングなる人物の手腕なのでしょうか。本書は「難解」だというウワサを聞いていたのですが、俗語を多用しているといっても、意味は文脈であらかたわかるようになっており、外見は野生的なミンガスの内面の繊細さ・弱虫ぶりが興味深く、つるつるっと読めました。ジャズ回想記だと思って購入したので、エリック・ドルフィーに関する記述があまりなかったのが残念といえば残念でした。















































































































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ひとでなしの猫

Author:ひとでなしの猫
ひ-2-改(ひとでなしの猫 2 改訂版)

◆「樽のなかのディオゲネス」から「ねこぢる」まで◆

難破した人々の為に。

分野: パタフィジック。

趣味: 図書館ごっこ。

好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

将来の夢: 石ころ。

尊敬する人物: ジョゼフ・メリック、ジョゼフ・コーネル。

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