『西脇順三郎研究』 村野四郎・福田陸太郎・鍵谷幸信 編

『西脇順三郎研究』
村野四郎・福田陸太郎・鍵谷幸信 共編
近代日本文学作家研究叢書

右文書院
昭和46年5月25日 印刷
昭和46年6月12日 発行
573p 口絵(モノクロ)2p 
A5判 丸背布装上製本 機械函 
定価2,400円



本書「序」より:

「西脇順三郎は現代詩を支える大きな柱として、今日ひときわ高く詩界に聳え立っている。西脇順三郎の詩歴はすでに半世紀に及ぼうとしており、この詩人の今日までに歩んできた道程と軌跡は、文字通り現代詩の歩みそのものといっても差支えないのである。(中略)しかもこの詩人はなお詩の最前線にあって、旺盛な詩作を示しているのである。萩原朔太郎と並んで、わが国が生んだ稀有な詩人、西脇順三郎の果した業績は、多くの問題を孕みつつ、今われわれの眼の前にある。
 また西脇順三郎は詩人であるほか、きわめて独創的な詩論家であり、さらに批評家、英文学者、言語学者の面をももっていて、その全貌をとらえることは、必ずしも容易なことではない。最近とみにこの詩人に対する関心の高まりつつある現状に応じて、編者は詩人論、作品論、その他の研究を総合的、立体的に構成することを意図し、ここに本書を編んだのである。第一部は総説とし、第二部は詩人の出発当初からの論評のうち、重要と思える文献、論説を歴史的に網羅し、第三部では各論的な意味あいをこめながら、最適の筆者を得て、この難解な詩人へのアプローチを試みた。」



奥付裏の頁に「執筆者紹介」。


西脇順三郎研究 01


西脇順三郎研究 02


西脇順三郎研究 03


目次:

序 (編者)

一 西脇順三郎の世界
 西脇氏の詩的世界 (村野四郎)
 西脇順三郎の詩的世界 (安藤一郎) (「文学」 昭和43・5、9 岩波書店版より改訂)
 西脇順三郎――人と作品 (佐藤朔) (1967・8 日本詩人全集 23 『西脇順三郎』 〈解説〉 新潮社)
 蒼白の世界 (福田陸太郎)
 西脇順三郎小論 (那珂太郎) (1970・12 『西脇順三郎』 社会思想社版所収のものを歴史的かなづかいに復元)

二 詩人論・作家研究
 『超現実主義詩論』を読んで (春山行夫) (昭和6・2 『詩の研究』 厚生閣)
 西脇順三郎氏の詩論 (萩原朔太郎) (昭和12・3 『詩人の使命』 第一書房→昭和35・5 『萩原朔太郎全集』 第四巻 新潮社)
 『旅人かへらず』への手紙――風邪をひいた牧人 (北園克衞) (昭和22・2 「荒地」 東京書店版より現代かなづかいに改め掲載)
 西脇順三郎 (北川冬彦) (1970・8 『現代詩鑑賞 〔下〕』 有信堂版より改訂)
 西脇順三郎論 (大岡信) (1962・2 『現代詩人論』 角川書店)
 西脇順三郎 (篠田一士) (1968・5 『詩的言語』〈朔太郎・達治・順三郎〉の一部より 晶文社)
 西脇順三郎――旅人かへらず――相模川 (伊藤信吉) (昭和43・10 『詩のふるさと』 新潮社)
 西脇順三郎論 (瀬戸哲郎)
 西脇詩の構造 (片桐ユズル)
 西脇順三郎の英文学 (福原麟太郎) (昭和38・10 「本の手帖」 昭森社)
 旅人かへらず――宮沢賢治と西脇順三郎 (原子朗) (昭和42・6 「文学」 岩波書店版より改訂)

三 詩篇論・作品研究
 詩集『Ambarvalia』(あむばるわりあ) (中野嘉一)
 『旅人かへらず』 (黒沢茂)
 『近代の寓話』試論 (千葉宣一)
 『第三の神話』――植物と女と永遠 (中桐雅夫) (昭和32・4 「詩学」 詩学社)
 『失われた時』紀行 (加藤郁乎)
 自然と人間の親密な対話――『豊饒の女神』論 (池谷敏忠)
 『えてるにたす』――〈永遠〉のイデアをめぐって (嶋岡晨)
 『宝石の眠り』 (澤村光博)
 『禮記』――永劫回帰の世界 (松田幸雄)
 『壤歌』――長篇詩の問題 (新倉俊一)
 女神との密通の書『鹿門』 (関口篤)
 超自然とは何か――『超現実主義試論』と『シュルレアリスム文学論』をめぐって (鶴岡善久)
 『ヨーロッパ文学』 (上田保)
 『輪のある世界』 (福田陸太郎)
 『古代文学序説』を読んで (長埜盛)
 『T・S・エリオット』 (鍵谷幸信)
 『詩学』――水平的な美学 (杉本春生)

四 座談会――西脇順三郎をめぐって (鍵谷幸信・小海永二・福田陸太郎(司会)・村野四郎・吉田精一)
 詩人の形成 (昭和45年11月20日)
 西脇詩の歩み
 戦後の西脇詩
 詩の手法スタイル
 外国文学および外国との関連
 西脇詩のなかの東洋と西洋
 三好達治との対比
 西脇詩と教科書
 西脇氏の他の側面
 外国における評価
 日本詩史上の位置

参考文献 (福田陸太郎・鍵谷幸信 編)
年譜 (鍵谷幸信 編)



西脇順三郎研究 04



◆本書より◆


福原麟太郎「西脇順三郎の英文学」より:

「『ヨーロッパ文学』の出たころ彼は渋谷宇田川町に住んでいた。果物屋やカフェやおもちゃ屋のある狭い横町を通りぬけなければ行けないところで、いかにもモダニスト詩人の住んでいるところらしかった。五九番地へ新築した家は広大であった。書斎の一つの壁は全部フランス文学の本棚が占めていた。(中略)西脇の英文学者としての姿勢は、よくある、日本のかなたにイギリス文学様がましまして一冊づつ手に戴いて拝見するというのではなく、英文学も仏文学も日本文学もひとしくわが身に迫る文学であるとする点にある。言葉の障壁などを意識して、よその国の文学という他人をこしらえ上げてしまう態度でないことである。」












































































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