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『マラルメ 詩と散文』 松室三郎 訳 (筑摩叢書)

「ああ 肉体は悲しい、それに私は すべての書物を読んでしまった。」
(マラルメ 「海の微風」 より)


ステファヌ・マラルメ 
『マラルメ 詩と散文』
松室三郎 訳

筑摩叢書 313

筑摩書房
1987年8月31日 初版第1刷発行 
1991年5月10日 初版第3刷発行
230p 口絵(モノクロ)2p 折込1葉
四六判 並装 カバー 
定価1,750円(本体1,699円)
装幀: 原弘



本書「あとがき」より:

「翻訳するに当たって私なりの工夫はしてみたものの、殊にマラルメ後期詩篇の中核であるソネにいたっては、いかに試行錯誤を重ねようと、その精妙きわまりない構造を異質の国語の上で再現することなどできる筈がなく、翻訳の提示だけでは当初の意図には程遠いとの感を免れることがどうしてもできなかった。そこで、ソネの中のせめて一篇なりと、訳者と共に身近なものとして読んでいただきたいという願いから、マラルメのソネ中の白眉とされる一篇をとり上げて私なりの読解の試みを活字にし、これを本書の第二の柱とした次第である。(中略)かくして本書は、
 ステファヌ・マラルメ『詩と散文』第二版
の全訳、および
 拙論「タイムカプセル 《マラルメ一九五五年》を今…」
の二部より成るが、後者は、私が一九六七年春、季刊《世界文学》6号(冨山房)に「『葬の乾杯』について」を公にして以来、雑誌掲載の形で続行して来たマラルメ後期詩篇註釈ノートの4に相当する。」



Stephane Mallarme: Vers et prose (2eme edition), 1893
口絵はマラルメ肖像(ホイッスラーによる石版画)と「-yx のソネ」1868年稿自筆原稿。


マラルメ 詩と散文 01


目次:

緒言
 
Ⅰ 韻文詩
  あらわれ
  窓
  ためいき
  花々
  海の微風
  青空
  詩の贈りもの
 ソネ
  懲らされ道化
  夏の悲しみ
  [――けがれなく、生気にみちて、美しい今日……]
  [――倨傲にも勝ち誇って 美しい自殺を遁れ……]
  [――その純らかな爪が 高々と 縞瑪瑙をかかげて、……]
  [――パフォスの名の上に わが古書は閉じられ、……]
  [――お前の歴史のなかに入りこむことは……]
  [――時間の芳香のしみこんだ如何なる絹も……]
  [――この夕べ、誇らしい自負心のすべては、……]
  [――かりそめの脆いギヤマンの……]
  [――窓掛のレースは いつしか消えて……]
 プローズ (デ・ゼッサントのために)
 エロディヤード 断章
 半獣神の午後 田園詩
 
Ⅱ 散文
 ポー詩抄
  ソネ エドガー・ポーの墓 (エピグラフ)
  大鴉
  ユーラリューム
  眠る女
 いくばくかのページ
  末来の現象
  秋の嘆き
  冬のおののき
  パイプ
  ラ・ペニュルティエーム
  栄光
  白い睡蓮
  聖職者
  『ヴァテック』要約のための断章
  ヴィリエ・ド・リラダン 回想
  第一逍遥遊 詩句に関して
  第二逍遥遊 祭式

    *

タイムカプセル 《マラルメ一九五五年》を今… 
――後期ソネ註釈の試み―― (松室三郎)

あとがき (松室三郎)
[口絵説明]




◆本書より◆


「秋の嘆き」より:

「マリアが私を後(あと)に、他の星に行ってしまって――どの星だろう、オリオンか、アルタイルか、それともお前、緑青色の金星だろうか――それ以来私はいつも孤独というものに心惹かれてきた。なんと多くの長い日々を、私は唯独り、私の猫と一緒にすごしてきたことか。「唯独り」というのは、私にとっては、物質的な存在なしにということで、私の猫は、神秘的な伴侶であり、精霊(せいれい)だ。だから私は、長い一日一日を、私の猫と一緒に唯独り、それからまた、唯独り、ラテン頽廃期の最後の作家の一人と一緒にすごしたと言える。それは、あの白い女性がもういなくなってからというもの、なぜだか、妙に私は、「凋落」という言葉に要約されるあらゆるものを愛してきたからだ。」




こちらもご参照ください:

Stéphane Mallarmé 『Autobiographie: Lettre à Verlaine』










































































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