『シュルレアリスム読本 3 シュルレアリスムの思想』

「拒否せよ。
秘密を知る力は、
拒否から生れるのだ。」

(アンドレ・ブルトン 『シュルレアリスムと絵画』 より)


『シュルレアリスム読本 3 
シュルレアリスムの思想』


思潮社 1981年6月1日発行
242p 
A5判 並装 
定価980円
表紙・本文レイアウト: 清原悦志



「シュルレアリスム読本」全四冊。
本文中図版(モノクロ)多数。


シュルレアリスムの思想1


シュルレアリスムの思想2


目次:

★論考
浜田泰三 「革命と祝祭の超現実(シュルレエル)――シュールレアリスムと政治」
アンドレ・ブルトン 「なぜ私は「シュルレアリスム革命」誌の編集を担当するのか――シュルレアリスムの闘争」 (訳・解説: 笹本孝)
由良君美 「シュルレアリスムと異貌ロマン主義――夢と現実を通底する第三の生の系譜」
針生一郎 「オブジェの変貌と第三世界」――オブジェ・シュルレアリストの展開
岩崎力 「ロートレアモン/シュールレアリスム/《テル・ケル》――《テル・ケル》のシュールレアリスム批判」
天沢退二郎 「運命と死の啓示――グラックの文学世界が孕むもの」
池内紀 「ブルトンとフロイト――『夢判断』をめぐって」
塚原史 「ツァラとシュルレアリスム――「導かれない思考」の現出」
モーリス・ブランショ 「好きなだけ書き続けたまえ――自動記述と詩的霊感」(訳: 菅野昭正)
ジュリアン・グラック 「アンドレ・ブルトン――ブルトンの「文章」をめぐって」 (訳・解説: 山下知夫)
ルネ・クルヴェル 「愛と死と科学とそして革命の十字路に――遺稿――総合への探究」 (訳・解説: 浜田明)
有田忠郎 「シュルレアリスムと錬金術――《名辞以前》の世界への探究」
アンドレ・ブルトン 「痙攣的な美・唯一の愛――『狂気の愛』より」 (訳: 稲田三吉・塚原史)
ルネ・ドーマル 「決定的な思い出――内なる神秘を見つめる」 (訳・解説: 篠田知和基)
飯田善國 「手・角そして性(セックス)――想像力の運動――マックス・エルンスト論」
寺山修司 「残酷演劇船――アントナン・アルトーの「劇」」
秋山邦晴 「《聴く》ことのシュルレアリスム――シュルレアリスムと音楽」
中西夏之 「不合流――メモ――正面性・眺めること」
サルヴァドル・ダリ 「ミレーの「晩鐘」――ダリによる「偏執狂的批判」的説明」 (訳: 稲田三吉・塚原史)
堀内正和 「シュルレアリスト彫刻――主としてジアコメティの空間について」
大辻清司 「眼の思想――シュルレアリスムと写真」
鍵谷幸信 「ウィリアムズとプレ・シュルレアリスム――アメリカ詩のシュルレアリスム」
沢崎順之助 「前衛・正統・表現――イギリス詩のシュルレアリスム」
飯吉光夫 「ドイツ語圏のシュルレアリスム――ゴル・エルンスト・ジュネそしてツェラン」
セサル・モーロ 「硫黄の眼鏡・「シュルレアリスム国際展」への序言――ラテンアメリカのシュルレアリスム」 (訳・解説: 鼓直)
朝吹亮二 「女の顔をした象と空飛ぶライオン――「磁場」序説」
紫畑ルリ子 「ジュリアン・グラックの世界――グラックと水のある風景を廻る」
 
★資料
年譜アンドレ・ブルトン――アンドレ・ブルトンとシュルレアリスムの軌跡 (編: 朝吹亮二)
ブルトンによるシュルレアリスムの思想 (図版と引用)



シュルレアリスムの思想3



◆本書より◆


アンドレ・ブルトン「シュルレアリスム第一宣言」より:

シュルレアリスム、男性名詞。
それを通じて人が、口述、記述、
その他あらゆる方法を用い、
思考の現実的機能を表現しようとする、
心の純粋な自動現象。
理性によるどんな制約ももうけず、
美学上ないし道徳上の
どんな先入主からもはなれた、
思考の書き取り。
百科辞典、哲学、
シュルレアリスムは、それまで
閑却されてきたある種の連想形式の
優れた現実性に対する信頼と、
夢の全能への信頼、
および思考の打算なき活動への信頼に
根拠をおく。
それ以外のあらゆる心の機構を
決定的に打破し、それらにかかわって、
人生の主要な問題の解決につとめる。」



シュルレアリスムの思想4


由良君美「シュルレアリスムと異貌ロマン主義」より:

「わたしは、思わず、これまでの説明のなかにフランス・小ロマン派を落してきたようだ。遅くなったが付け加えよう。ノディエ、ボレル、グザヴィエ・フォルヌレ、ネルヴァル、ベルトランたちは、文学史上は例のエルナニ事件の担い手たちとして、とかくスキャンダルの面から扱われ、小ロマン派(引用者注: 「小」に傍点)の「小」が示すとおり、ある種の軽蔑を以て遇されてきた。これまた、史的歪曲の一つであることを、ブルトンは予感していたと思われ、わたしは、シュルレアリスムが文学史的評価の仕直しの上で与えた秀抜な功績を認める立場から、ボレルとネルヴァルを結ぶものこそ、狭義のロマン主義を充填してシュルレアリスムへと曳航する方途であると言いたいのである。彼ら小ロマン派こそ、徹底したアナキズム、既存の権威への全面否定、一切転倒のロジックがあり、これを無視して、ダダイズムの根幹を求めることは出来ず、さらには、ダダイズムのより幅広い、実りある後継者としてのシュルレアリスムの系譜を語ることはできないと思うのである。
 こうして、ブルトンの列挙するものをもとに、ブルトンの示唆の内実を細かく尋ねてみるとき、狭義のロマン派の正統文学史的様相は変貌をとげ、あるべきロマン派(引用者注: 「あるべきロマン派」に傍点)の活力にみちた様相が姿をあらわし、超自然、怪奇、幻想、反社会、アナキズム、神秘、オカルティズム、ユートピアニズム、ミレナリズムをすべて包摂するものとしてのロマン派の諸属性が、すべてシュルレアリスムに貫流してゆく史的構図が納得されるのである。」



シュルレアリスム読本

































































































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◆「樽のなかのディオゲネス」から「ねこぢる」まで◆

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