『フランス中世文学集 1 信仰と愛と』 新倉・神沢・天沢 訳

「沿岸の住人で、彼を気違いと
思い込まぬ者はひとりとしていないが、
心のうちを知る者もまたいない。」

(ベルン本 『トリスタン佯狂』 より)


『フランス中世文学集 1 
信仰と愛と』

Poètes et Romanciers du Moyen Age
新倉俊一・神沢栄三・天沢退二郎 訳

白水社 
1990年12月20日 第1刷発行 
1992年3月25日 第3刷発行
541p 口絵(モノクロ)4p 
四六判 丸背紙装上製本 カバー 
定価5,500円(本体5,340円)
装幀: 野中ユリ+古賀賢治



各篇ごとに短い「解題」と「訳注」が付されています。
『聖アレクシス伝』と『ロランの歌』は文語訳です。
本シリーズは当初「全三巻」として刊行されましたが、のちに増補されて全四巻になりました。


フランス中世文学集 01


目次:

まえがき (新倉俊一・神沢栄三・天沢退二郎)

『聖アレクシス伝』 (神沢栄三 訳)
『ロランの歌』 (神沢栄三 訳)

ベルール 『トリスタン物語』 (新倉俊一 訳)
トマ 『トリスタン物語』 (新倉俊一 訳)
トリスタンもの短篇 (新倉俊一 訳)
 オクスフォード本 『トリスタン佯狂』
 ベルン本 『トリスタン佯狂』
 マリ・ド・フランス 『すいかずら』

南仏詩人(トルバドゥール) (天沢退二郎・新倉俊一 訳)
 アルバ 作者不詳 (天沢 訳)
 あかるい季節の入口で 作者不詳 (天沢 訳)
 ギエム・デ・ペイテュ伝記
 のどやかに新しい季節が ギエム・デ・ペイテュ (天沢 訳)
 あたらしい歌をわたしは作ろう ギエム・デ・ペイテュ (天沢 訳)
 マルカブリュ伝記
 私は汝らに語ろう マルカブリュ (天沢 訳)
 ジャウフレ・リュデル・デ・ブライア伝記
 五月に日の長くなるころ ジャウフレ・リュデル・デ・ブライア (新倉 訳)
 泉から流れ出る水が ジャウフレ・リュデル・デ・ブライア (新倉 訳)
 ラインバウト・ダウレンガ伝記
 さかさまの花 ラインバウト・ダウレンガ (天沢 訳)
 ディア伯夫人伝記
 気に染まぬことも歌わねばならぬ ディア伯夫人 (新倉 訳)
 ベルナルト・デ・ヴェンタドルン伝記
 陽の光を浴びて 雲雀が ベルナルト・デ・ヴェンタドルン (新倉 訳)
 みずみずしく若草と若葉が萌えいで ベルナルト・デ・ヴェンタドルン (新倉 訳)
 私の心は喜びでいっぱい ベルナルト・デ・ヴェンタドルン (天沢 訳)
 論争詩(テンソ) ベルナルト・デ・ヴェンタドルン/ペイロール (天沢 訳)
 ギラウト・デ・ボルネイユ伝記
 栄光の王者、まことの光 (アルバ) ギラウト・デ・ボルネイユ (天沢 訳)
 ペイレ・ヴィダル伝記
 大言壮語歌 ペイレ・ヴィダル (天沢 訳)
 ラインバウト・デ・ヴァケイラス解題
 カレンダ・マイア(五月一日) ラインバウト・デ・ヴァケイラス (新倉 訳)
 大波よ 海のおもてをわたり ラインバウト・デ・ヴァケイラス (天沢 訳)
 アルナウト・ダニエル伝記
 セスティーネ アルナウト・ダニエル (天沢 訳)
 ガウセルム・ファイディト伝記
 野の夜鳴き鴬が ガウセルム・ファイディト (天沢 訳)
 この酷き最大の不幸 ガウセルム・ファイディト (新倉 訳)
 フォルケト・デ・マルセーヤ伝記
 まことの神よ (アルバ) フォルケト・デ・マルセーヤ (天沢 訳)
 ベルトラン・デ・ボルン伝記
 戦争讃歌 ベルトラン・デ・ボルン (新倉 訳)

北仏詩人(トルヴェール) (天沢退二郎 訳)
 可愛いヨランダ、お部屋にすわって (お針歌) 作者不詳
 果樹園は泉のほとり (お針歌) 作者不詳
 泉の水がころころと (パストゥレル) 作者不詳
 夜鳴き鶯は歌って告げた ブロンデル・ド・ネール
 シャンソン 作者不詳
 ああ! 愛の神よ、何という辛い別れを (十字軍歌) コノン・ド・ベチューヌ
 わが故郷の小鳥の声を ガース・ブリュレ
 私はいかれてしまったよ コラン・ミュゼ
 リュトブフ貧窮歌 リュトブフ
 愛の歌 チボー・ド・シャンパーニュ
 ある日、余は散策に出た (パストゥレル) チボー・ド・シャンパーニュ
 バラード 〔あのポエブスが射殺した〕 ギョーム・ド・マショー
 バラード 〔娘の結婚についての〕 ユスタシュ・デシャン
 バラード 1 シャルル・ドルレアン
 バラード 72 シャルル・ドルレアン

フランソワ・ヴィヨン (天沢退二郎 訳)
 『ヴィヨンの形見』 (抄)
  一
  二
  三
  四
  五
  六
  八
  九
  一〇
  一一
  一二
  一三
  一四
  一五
  一六
  一七
  一八
  三五
  三六
  三七
  三九
  四〇
 『ヴィヨンの遺言』 (抄)
  一
  二
  三
  四
  五
  六
  七
  八
  九
  一〇
  一一
  一二
  一三
  一四
  一五
  一六
  一七
  一八
  一九
  二〇
  二一
  二二
  二三
  二四
  二五
  二六
  二八
  二九
  三〇
  三一
  三二
  三四
  三五
  三六
  三七
  三八
  三九
  四〇
  四一
  バラード 〔昔日の美女たちのバラード〕
  バラード 〔昔日の王たちのバラード〕
  バラード 〔古語によるバラード〕
  四二
  四三
  七五
  七六
  八一
  八二
  八三
  八四
  八五
  八六
  八七
  八八
  八九
  バラード 〔母の求めによりものされた、聖母マリアに祈るためのバラード〕
  九〇
  バラード 〔恋人へのバラード〕
  九四
  短詩(レー)
  九五
  九六
  九七
  唄(ベルジュロネット)
  一六七
  一六八
  一六九
  一七〇
  一七六
  一七七
  一七八
  ヴェルセー 〔お題目〕
  一七九
  一八〇
  一八一
  一八二
  一八三
  一八四
  一八五
  一八六
  バラード
  バラード 〔結びのバラード〕
 『ヴィヨン雑詩篇』 (抄)
  絞首罪人のバラード
  ヴィヨンとその心との対話
  四行詩

解説 (神沢栄三)
 一 フランス文学のはじまり
 二 英雄の物語
 三 トリスタン物語
 四 抒情詩の世界



フランス中世文学集



◆本書より◆


『聖アレクシス伝』より:

「人皆かの人をあざけり 痴者(しれもの)の如くに
頭上に水をあびせ その臥所(ふしど)を濡らせリ
されどかの聖(ひじり) いささかも 怒りを発せず」



「オクスフォード本 『トリスタン佯狂』」より:

「「王様」と、狂人が言う「あの空の高みに
俺の帰る大広間があるんです。
ガラスでつくられて、美しくて広いよ。
日の光が四方八方から差し込みます。
空中にあって、雲に支えられてますがね、
風で揺れたり動いたりしやしません。
その大広間の横に寝室があって、
これが水晶と大理石でできてるんだな。
太陽が朝昇るときなんか、
部屋全体が光り輝くんだから」
王もほかの者たちも笑い出して、
互いにこう囁き交すのであった――
「これは質のいい気違いだ、実にいいことを言う。
そこらの誰よりも話がうまいわ」」



「ベルン本 『トリスタン佯狂』」より:

「彼はかような苦労を久しく重ね、
よろしいか、たいそう頭もおかしくなっていた。
名前を変えて、タントリスと
人に呼ばせる。」
「彼は頭のまともな人間と見られたくない。
服はぼろぼろに裂き、顔は掻傷だらけ、
人を見さえすれば殴りかかる。」
「沿岸の住人で、彼を気違いと
思い込まぬ者はひとりとしていないが、
心のうちを知る者もまたいない。
トリスタンは片手に棍棒を携える。
気違い然として歩くから、皆が野次り、
頭めがけて石を投げつける。
トリスタンは止まらずに立ち去る。
イズーの愛をかち取るため、こうして
長いこと大地を横切って行く。
彼は自分のしていることに満足だ。」

「俺、タントリスによく似てないか?
タンの前にトリスを置いてごらんよ、
そうすりゃトリスタンになるでしょう。」





こちらもご参照下さい:

『フランス中世文学集 2  愛と剣と』 新倉・神沢・天沢 訳

































































































































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難破した人々の為に。

分野: パタフィジック。

趣味: 図書館ごっこ。

好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

将来の夢: 石ころ。

尊敬する人物: ジョゼフ・メリック、ジョゼフ・コーネル。

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