森洋子 編著 『ホガースの銅版画』 (双書 美術の泉)

「彼は、街頭で偶々、奇妙で滑稽な顔をみかけると、即座に立ち止った。「何をしているのか」と尋ねる友人に、彼が見せたのは親指の爪の上に描いた似顔絵であった。」
(森洋子 「ウィリアム・ホガース 人と芸術」 より)


森洋子 編著 
『ホガースの銅版画
― 英国の世相と諷刺』

双書 美術の泉 48

岩崎美術社 1981年6月10日発行
図版(モノクロ)88p 本文29p 
25.7×18.2cm 並装 カバー 
定価1,800円



森洋子 ホガースの銅版画1


帯文:

「産業革命の爆発するエネルギーと激動する社会、そこにしたたかに生きるイギリス人の喜怒哀楽を諷刺とユーモアとパロディをこめて表情ゆたかに生きいきと描き出す、わが国初のホガースの版画集」


帯背:

「18世紀英国の世相と諷刺」


帯裏:

「掲載作品: 「ヒューディブラス」挿絵、娼婦一代記、放蕩息子一代記、当世風結婚、勤勉と怠惰、残酷の四段階、一日の四つの時、選挙(以上連作)、南海泡沫事件、富くじ、真夜中の団欒、女死刑囚サラ・マルカム、笑う聴衆、サザックの縁日、悩める詩人、納屋で衣装をつける女旅役者、ビール街、ジン横丁、美の分析、闘鶏場、ジョン・ウィルクス殿、フィンチレーへの進軍、タイムスI、宗教的熱狂を図解すれば、他93点。」


内容:

図版
 1 南海泡沫事件 (1721)
 2 富くじ (1721)
 3 仮装舞踏会とオペラ (1923/24)
 4-15 サミュエル・バトラー著 『ヒューディブラス』 挿絵 (1725/26)
 16 ガリバーに科せられた刑罰 (1726)
 17-18 自然の女神を覗き見する童子(プットー)たち (1730/31)
 19-24 「娼婦一代記」 (1732)
 25 真夜中の団欒 (1732/33)
 26 女死刑囚サラ・マルカム (1732/33)
 27 笑う聴衆 (1733)
 28 サザックの縁日 (1733/34)
 29-36 「放蕩息子一代記」 (1735)
 37 ことの前 (1736)
 38 ことの後 (1736)
 39 居眠りする会衆 (1736)
 40 講義を聴く学生 (1736/37)
 41 悩める詩人 (1736/37)
 42 納屋で衣装をつける女旅役者 (1738)
 43-46 「一日の四つの時」 (1738)
 47 性格と戯画 (1743)
 48 絵画戦争 (1744/45)
 49-54 「当世風結婚」 (1745)
 55 上流階級の趣味 (1746)
 56 カレーの門 (1748/49)
 57-68 「勤勉と怠惰」 (1749)
 69 ビール街 (1750/51)
 70 ジン横丁 (1950/51)
 71-74 「残酷の四段階」 (1750/51)
 75 フェリックスの前で説教する戯画化されたパウロ (1751)
 76 フェリックスの前で説教するパウロ (1752)
 77 ファラオの娘たちのもとに連れられる幼児モーゼ (1752)
 78 フィンチレーへの進軍 (1750/51)
 79-80 「美の分析」 (1753)
 81-84 「選挙」 (1755)
 85 闘鶏場 (1759)
 86 ジョン・ウィルクス殿 (1763)
 87 ウィリアム・ホガースの肖像 (1748/49)
 88 喜劇のミューズを画くホガース (1758)
 89 鬘の五柱式 (1761)
 90 裁判官席 (1758)
 91 宗教的熱狂を図解すれば (1761頃)
 92 タイムズI (1762)
 93 竜頭蛇尾 (1764)

ウィリアム・ホガース 人と芸術 (森洋子)
 ホガースの少年時代と徒弟生活
 諷刺版画で世に出る
 画かれた道徳――ホガース版画の本質
 ホガース法
 ホガース版画の時事性
 臨機応変な画面変更
 性格描写の天才
 社会正義派のホガース
 外国嫌いなホガース
 ホガース版画の絵画的源泉
 『美の分析』――ホガース絵画の基本原理
 ホガース版画の文学性

あとがき
ウィリアム・ホガース略年譜
参考文献



森洋子 ホガースの銅版画2

「放蕩息子一代記」より。


森洋子 ホガースの銅版画3

「一日の四つの時」より。


森洋子 ホガースの銅版画4

「性格と戯画」。



◆本書より◆


「36 「放蕩息子一代記」第8図、精神病院にて」

「すべての望みを絶たれたトムは監獄で発狂し、ついにベドラム精神病院に収容される。最後までトムに献身的な恋人のサラはここでもやさしい看護の手を差しのべ、彼を励ます。しかし半裸体になったトムはすでにナイフで自殺を試みたのか、胸に絆創膏が貼られている。鎖に繋がれるのは要注意患者。看護人の一人はトムの世話より、サラに興味を示す。ホガースはこのシリーズの終幕で種々のタイプの狂人を見事に描出している。」
「ところで壁にむかって地球を描き、経度を計測する地理学狂人がいる。第3ステートではさらにその脇に1763年と記し、ブリタニアの寓意像を加筆した。すなわち、ホガースはこうした狂人の世界を1763年のイギリス社会のアナロジーと考えたのではなかろうか。廊下に二人の着飾った婦人の見物人がみられるが、その一人は扇ごしにこっそり裸体の狂人を覗き見ている。当時のロンドンっ子やお上りさんにとって、ベドラム精神病院の見物は日曜日の楽しみのひとつであった。」



森洋子 ホガースの銅版画5






















































































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