野村太郎 編集・解説 『クービンの素描』 (双書 版画と素描)

「一九六七年に彼のデッサン集を編んだヴィーラント・シュミートは、その解説のなかで、ある時彼が知り合いのザムハーバー牧師にたいしてこう言ったと伝えている。――「あなたはぼくから不安を除こうとしていらっしゃる。でも、不安はぼくの資本なんですよ。」」
(野村太郎 「素描画家アルフレート・クービン」 より)


野村太郎 編集・解説 
『クービンの素描』

双書 版画と素描 13 

岩崎美術社 
1975年9月20日 印刷
1975年9月30日 発行
58p/8p/14p 参考文献1p 
26×24.5cm 
角背紙装上製本 カバー 
定価2,500円



ペン画・鉛筆画集。ベクシンスキーの前にクービンあり。


クービンの素描 01


内容:

図版
 1 パレード
 2 彼岸への橋
 3 月光
 4 地獄の入口
 5 兵棋
 6 地獄の光景
 7 運命の女神
 8 卵
 9 追われる人
 10 ハウスハームの菩提樹
 11 屠殺日
 12 舞踏会の亡霊
 13 蜘蛛
 14 礼拝
 15 異教の生贄
 16 魔女
 17 口
 18 影
 19 蜘蛛
 20 悪疫
 21 巨人塚
 22 嬰児殺しの女
 23 アグリッピナ
 24 冬の優雅な情炎
 25 墓地の塀
 26 傾聴する人
 27 池のほとりの男の子
 28 蛇の夢魔
 29 沼の植物
 30 死者(犬族)
 31 第一回ボスニアの旅(1907年)の思い出
 32 バルカンの山の町
 33 ツヴィクレットのラオコーン
 34 パレード
 35 ティロルの人
 36 多くの略画による画稿
 37 画家(死のシリーズより)
 38 ある男の半身像(自画像)
 39 イプセンの〈幽霊〉におけるオズワルド
 40 海底の記念碑
 41 夜明け
 42 森の馬
 43 ボヘミアの森の道Ⅱ
 44 ヴァンピールの家
 45 死んだ馬
 46 二頭立ての野呂鹿の車
 47 北方の植民地
 48 竜巻
 49 コブラ
 50 ウィリアム・ブレイク
 51 不思議な絵
 52 孤独な家
 53 おうむ
 54 看護を受けるドン・キホーテ
 55 ツヴィクレットの衝撃
 56 サーカスの演技
 57 グラインカー湖畔
 58 サライェヴォから(!)

素描画家アルフレート・クービン
作品解説
参考文献



クービンの素描 02



◆本書より、クービンのことば◆


「ぼくは、夜の眠りにおいてのみならず、いつも夢をみていると信じている小さなミミズクの仲間でもある。しかし、昼間の夢は、理性の強烈な輝きによって、たいていはかき消されてしまう。昼間のこの緊張した状態は、ぼくの場合にも長くつづくことはまれである。その状態が弱まる際に、しばしば、ぼくは自分の廻りに生命の歪んだ像がひしめいているのにびっくりさせられる。ある意識の状態から他の状態へ移行する瞬間が、ぼくにとっては芸術的にもっとも稔り多いときだ。目に見えない光源からの異様な光が射し込む洞窟のような空間を、色の乏しい、おぼろなまぼろしが掠め過ぎ、流れ去ってゆく。」

「最近になってやっと、ぼくは、ぼくの内にあって適切な形を得ようとしているものが、精神的な中間領域――すなわち薄明の世界であることが、すこしく明瞭にわかるようになった。ぼくが創ったものは、すべて、この半陰陽の薄明領域の烙印をもっている。しかし、ぼくは、それらがどのくらい深くその根を日常生活に沈めているか、言うことはできない。明らかに動揺している特別な瞬間に、ぼくは、あたかも地下のどこかに、あらゆる生命を互いに結合させる神秘的な液体が流れるかのような、ある予感に襲われる。」



クービンの素描 03

「月光」。


クービンの素描 04

「追われる人」。


クービンの素描 05

「魔女」。


クービンの素描 00



こちらもご参照下さい:

アルフレート・クービン 『対極』 野村太郎 訳







































































































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ひ-2-改(ひとでなしの猫 2 改訂版)

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難破した人々の為に。

分野: パタフィジック。

趣味: 図書館ごっこ。

好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

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ハンス・アスペルガー・メモリアル・バーベキュー。

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