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中村朝子 訳 『パウル・ツェラン全詩集』 (改訂新版・全三冊) 

中村朝子 訳 
『パウル・ツェラン全詩集』 (改訂新版) 
第I巻


青土社 2012年2月10日第1刷印刷/同20日第1刷発行
516p 口絵2p 四六判 丸背紙装上製本 貼函 定価6,800円+税
装幀: 中島かほる
装画: マーブル・ペーパー (アトリエ・ミウラ所蔵)


中村朝子 訳
『パウル・ツェラン全詩集』 (改訂新版) 
第II巻


青土社 2012年2月10日第1刷印刷/同20日第1刷発行
696p 口絵2p 四六判 丸背紙装上製本 貼函 定価6,800円+税
装幀: 中島かほる
装画: マーブル・ペーパー (アトリエ・ミウラ所蔵)


中村朝子 訳
『パウル・ツェラン全詩集』 (改訂新版) 
第III巻


青土社 2012年2月10日第1刷印刷/同20日第1刷発行
326p 口絵2p 四六判 丸背紙装上製本 貼函 定価4,800円+税
装幀: 中島かほる
装画: マーブル・ペーパー (アトリエ・ミウラ所蔵)



ツェラン全詩集1


「改訂新版あとがき」より:

「一九九二年五月『パウル・ツェラン全詩集』を翻訳、刊行させて頂いたが、今回改訂新版を刊行するはこびとなった。訳語に関しては、今の時点で適切と思われる表現に変えるよう若干の手を加えた。注についても同様に手を入れたが、いくつかの注を新しく書き加えた。」


ツェラン全詩集3


第I巻 帯文:

「象徴主義やシュルレアリスムの流れに立ち、ユダヤ人としてナチズムの惨禍、スターリニズムの傷痕を心の奥深くに宿しながら、現代詩人の命運を生き、自死した、パウル・ツェラン、本邦初の個人完訳全詩集。」


第I巻 帯背:

「本邦初の
全詩集」



第II巻 帯文:

「現実とは何かと鋭く問いかけ、狂気にむしばまれるなかで、詩作によって、あり得ない現実を獲得しようとしたツェラン。晩年に刊行された『息の転換』『糸の太陽たち』、生前既にツェラン自身によって印刷に付された『光輝強迫』、詩人自身の念入りな清書原稿に基づく『雪の声部』を収録。」


第II巻 帯背:

「晩年から
没後刊行の
詩集まで



第III巻 帯文:

「喪失からの出発。言語の解体。そして誰でもないものへの問い。ツェランの詩は、他者への回路を失った現代人の深部に谺する。処女詩集『骨壺たちからの砂』、『時の屋敷』、『補遺詩篇』などを収録。」


第III巻 帯背:

「処女詩集
遺稿・補遺」



ツェラン全詩集2


第I巻 目次:

罌粟と記憶 (一九五二)
 骨壺たちからの砂
  荒野の歌
  (夜にはお前の身体は)
  (徒に)
  マリアンネ
  樹脂蝋燭
  (掌を時刻で一杯にして)
  半分の夜
  海を渡るお前の髪
  (ハコヤナギよ)
  シネラリア
  羊歯の秘密
  骨壺たちからの砂
  最後の旗
  (鉄の靴の軋む音が)
  饗宴
  九月の暗い目
  海からの石
  フランスの思い出
  影につつまれたある女のシャンソン
  夜の光
  お前からぼくへの幾歳
  遠方の賛辞
  全生涯
  晩く そして 深く
  コロナ
 死のフーガ
 逆光
  旅にあって
  エジプトで
  霧笛のなかへ
  (まだかれの目が)
  (お前とそしてすべての)
  烙印
  (心を夜に)
  結晶
  経帷子
  沖で
  (ぼくは一人だ)
  壺たち
  (夜に)
  (さあ眠れ)
  (こうしてお前は)
  堅固な城塞
  (鳩たちのなかで一番白い鳩が)
 夜の茎たち
  眠りと糧
  旅の仲間
  (目――)
  永遠
  磯波
  (心臓と脳から)
  (落ち着きのない心)
  (彼女は その髪を)
  (お前が言葉に目眩まされ)
  風景
  静かに!
  水と火
  (アーモンドを数えよ)

敷居から敷居へ (一九五五)
 七つの薔薇だけ遅く
  ぼくは聞いた
  晩い赤のなかに
  輝く
  一緒に
  斧たちと戯れながら
  重いもの
  一粒の砂
  髪の房
  海から
  二つの姿
  遠方
  氷があるところに
  暗闇から暗闇へ
  猪の姿となって
  ブルターニュの海岸
  よい
  二人して
  客
 取り替わる鍵で
  フランソワのための墓碑
  目に接ぎ木されて
  ぼくたちに時刻を数えた者が
  アッシジ
  今宵もまた
  一本の蝋燭の前で
  取り替わる鍵で
  ここ
  静物画
  そして 美しい
  森林におおわれて
  語たちの夕べ
  斜面
  ぼくは知っている
  畑
  追憶
 島に向かって
  夜に 尖らされて
  時の目
  翼の夜
  これらの石たちのどれをお前は持ち上げるのか
  ポール・エリュアールの思い出に
  合言葉(シボレート)
  ぼくたちはお前を見る
  記念碑
  お前も語れ
  時の赤い唇で
  沈黙からできた証言(アルギュメントゥム・エ・シレンティオ)
  葡萄摘みの人々
  島に向かって

言葉の格子 (一九五九)
 I
  (声たち)
 II
  確信
  手紙と時計と一緒に
  一つの絵の下に
  帰郷
  下で
  今日と明日
  条痕
 III
  テネブレ
  花
  「白い」そして「軽い」
  言葉の格子
  雪の寝台
  風に応じて
  夜
  ブルターニュのマチエール
  ごみ運搬の小舟
 IV
  ケルン、アム・ホーフ
  遠くへ
  一日そしてまた一日
  口の高さに
  ひとつの手
  けれど
  万霊節
  ある風景の下絵
 V
  ひとつの目、開いて
  (上で、音も立てず)
  (世界、ばくたちのほうへ)
  (木の星が一つ)
  夏の報告
  (低水位)
  線路の土手、道端、荒廃した場所、瓦礫
 エングフュールング

誰でもない者の薔薇 (一九六三)
 I
  (かれらのなかに 土があった)
  (「深み - に向かって - いく」という語)
  (葡萄酒と孤独のもとで)
  チューリヒ、シュトルヒェン館にて
  三人で、四人で
  (ぼくたちに差し出される)
  (お前はあちらがわにいる)
  (両手に)
  十二年
  あらゆる想いと一緒に
  水門
  (押し黙る秋の香たち)
  氷、エデン
  詩篇
  テュービンゲン、一月
  ヒューミッシュ
  サラゴダのチェルノヴィッツ出身の/パウル・ツェランによる/ポントワーズ近郊のパリで歌われた/詐欺師と泥棒の歌
 II
  繊毛の木
  漂移性の
  (いくつかの 手に - )
  ……泉がせせらぐ
  (それはもはや)
  ラディックス、マトリックス
  (黒土)
  (ある夕べ、扉の前に立っていた)
  大光輪
  (誰にも頬寄せず)
  (雌雄異株だ)
  シベリアのように
  祝福された女(ベネディクタ)
  研ぎすまされた切先で
 III
  (明るい石たちが)
  アナバシス
  (ブーメラン)
  ハブダラー
  メンヒル
  サーカスと城砦と一緒の午後
  日の光のもとで
  ケルモルファン
  (ぼくは竹を切った)
  コロン
 IV
  (何が起きたのか?)
  ひとつに
  (冠をかぶされて)
  (あの不滅だった語がぼくに)
  地球(レ・グロブ)
  フーエディブルー
  小屋の窓
  苦痛という音綴
  外岸
  (すべては違っている)
  そして タルッサからの書を携えて
  (空中に)



第II巻 目次:

息の転換 (一九六七)
 I
  (あなたは)
  (夢に見られないものに)
  (戸の隙間の)
  (未来の北方の)
  (お前の晩い顔の前に) 
  (憂鬱の早瀬を抜けて)
  (数たち)
  (お前の手の)
  (堀削された)
  (地上に向かって)
  (こめかみのペンチ)
  (霰の粒のせいで)
  (立つこと)
  (目覚めによって)
  (迫害された者たちと)
  (糸の太陽たち)
  (蛇の車に乗せて)
  (甲冑のつけたみみずばれ)
  (語の盛り上がり)
  (ぼくはお前を知っている)
  (体験してもいないことを)
 II
  (大きな)
  (歌うことができる残り)
  (滔々と流れる)
  (二十の)
  (もはやどんな砂の芸術も)
  (明るさへの飢え)
  (ぼくたちにあの白いものが)
  (がらんどうの生の屋敷)
  (海に)
  (白い経札に)
  (盲目になれ)
  (編み目のような葉脈の走る)
  (今日)
  (真昼に)
  (ぼくの手の皮膚の下に)
  (砂時計)
  港
 III
  (黒く)
  (槌の頭のようなもの)
  (骨壺に定められた存在たち)
  (曲芸師の太鼓)
  (もしお前が)
  (炭でいかさまの目印をつけられた)
  プラハで
  (あのハクサンチドリから)
  (半ば食い破られた)
  (拳から)
  (うなり木)
  (夕べ)
  (集められた)
  (屹立する土地)
  (あちこち飛ばされた)
  (三叉路で) 
 IV
  (書かれたものが)
  (苦痛の後ろから)
  フリヘード
  (珪化された文句を)
  (どこで?)
  (王の憤怒)
  溶解せよ(ソルヴェ)
  凝固せよ(コアグラー)
  (頭蓋の思い)
  (復活祭の煙)
  (岸壁の休息)
  (移し変えられた)
  (視覚の糸たち、意味の糸たち)
  (ひとつの響動き)
  (狂人たちの鉢)
  (リヒテンベルクの)
  キヴ ザ ワード
  (夕べ、ぼくを取り囲む)
 V
  (外へと!)
  (スレートの目をした女)
  (ぬかるんで)
  (お前)
  (天空たちとともに熱せられた)
  (靄の横断幕の、スローガンの横断幕の蜂起)
  (お前の傷のなかで休息せよ)
 VI
  (いつか)

糸の太陽たち (一九六八)
 I
  (瞬間 瞬間)
  フランクフルト、九月
  (偶然はいかさまの目印をつけられて)
  (誰が治めているのか)
  (どこでもないところに)
  (永遠の深みのなかで)
  (見えるまま)
  (迂回路の)
  (粗麻地の頭巾)
  (痙攣)
  (腕のなかにお前の両目を抱いて)
  ヘンダイユ
  ポー、夜に
  ポー、後に
  (花咲いている)
  (狂気の奥深く)
  (ざわめきの中で)
  リヨン、射手たち
  (頭たち)
  (どこにぼくはいるのだろう)
  (とうに見つけられたものたちが)
  (お前の封印はすべてこじ開けられたのか? 決して)
 II
  (眠りのかけらたちが)
  (真実が)
  (近くの)
  (孵った)
  (永遠たち)
  (人形のようなユキノシタが)
  (間に - )
  (首尾よく)
  (雨でぬかるんだ)
  (白いざわめき)
  (悪魔のような)
  (暗闇 - 接ぎ木される若木たち)
  (二番目の)
  (掘削された心)
  (勤勉な)
  (ぶつかり合うこめかみたち)
  (天にくるまれるように)
  (もしぼくが知らないなら)
  (住み着きながら - 住処を奪われ)
  (巨大な)
  (嘶かれた柩の祈り)
  (永遠たちが)
  (ダストシュートの口を開けた合唱たち)
 III
  (悪魔のいなくなった刹那)
  (有限なもののなかの)
  (愛が)
  (お前は)
  (右側に)
  (解体されたタブーたち)
  (海の外と内を巡る)
  (静寂よ)
  (あの)
  (熱いそして辛い葡萄酒を傍に)
  (斜めにかしいで)
  (真夜中に)
  (保護されず)
  (捏ねまわされた)
  (永遠が)
  (夕刻)
  (実生たちが)
  (連なる丘に沿って)
  (おいで)
  (残滓を取り除かれて)
  (認知不能症となって)
  (隣の女である夜)
  (鴎の雛たちが)
 IV
  アイルランドの
  (綱)
  (露)
  (夥しいアナウンスが)
  (麺棒で伸ばされたこの日)
  (油のように)
  (あの暗い鏡の中で)
  (天使の材料から)
  (吹き払われた光の種が)
  (内張りをせよ 語の洞穴たちを)
  (高くされた世界)
  (ぶつぶつ呟いている)
  (……そしてどんな)
  (近くに、大動脈弓の中に)
  (投げ降ろせ お前がかじりついている太陽年を)
  (お前が 苦境をものがたる破片を)
  (来たのだ 時が)
  (唇たち、「あなた」 - 夜の)
 V
  (諸々の力、激しい力)
  (昼の漆喰)
  (言葉が築く壁たち)
  (雷雨の捏槽の中で)
  (二人の)
  (転がされて消えていった)
  (色となって)
  (燕が)
  (白く)
  (覆われていない女)
  (お前に対する沈黙の突き)
  癲癇
  (鳩の卵の大きさの腫瘍が)
  (冬になり始めた)
  (外で)
  (誰がふるまったのか?)
  (縺れあう心)
  (名づけるはずの)
  思い浮かべよ

光輝強迫 (一九七〇)
 I
  (聞いていた残り、見ていた残り)
  (かれを夜が駆った)
  (貝の山たち)
  (灰を掬う杓子で)
  (火打ち石をいくつも嵌め込まれて)
  (夜のなかへいった)
  (ぼくたちは)
  (地雷が)
  (誰がお前に向かってきたのか?)
  (反照でおおわれて)
  (この離陸も)
  (航路標識の - )
  (失われたものから)
  (ぼくたちを)
 II
  (かつて)
  (ぼくたちの頭上には)
  (「予知した」が)
  ブランクージ宅で、二人で
  (ぼくが)
  (とうに)
  トートナウベルク
  (ぼくの)
  (今)
  アジアの一人の兄弟に
  (「かさぶたと痂皮、かさぶたと痂皮。」)
  (お前がぼくのなかで)
  ハイゲート
  (稲妻に驚かされて)
 III
  (投擲される円板よ)
  (光の楔たちを)
  (逃げた)
  (暗い搏動の中で)
  (飛び地)
  (書き込まれていない)
  (切りとれ あの祈る手を)
  (必要とされるだけの星たちが)
  (ぼくはお前をまだ見ることができる)
  (ただ)
  (空ろなものの中で)
  (粘土でできた注がれる捧げ物)
  (野性の心臓)
 IV
  (永遠たちが)
  (フィブラとなった心臓の響き)
  (並び合って)
  (特別にもう一杯盛られた夜は)
  (寒気に筋をつけられた甲虫たちの後ろで)
  (アイルランドの女が)
  (ぼくに遺された)
  (邪悪な)
  (製造 - )
  (泡箱の中で)
  (口の中に)
  (差し始めた潮が)
  (ウスバカマキリが)
  (もはや一本の挽材もなく)
  (語と語の間の)
  (話しかけられやすかったのは)
 V
  オラーニエン通り 一番地
  (井戸の - )
  (夢の原動機によって)
  (雲雀の影のために)
  (切断された)
  (褪せた声をもち)
  (無響の 妹となる殻)
  (天候を感じる手)
  (時の隅で)
  (ぼくをも)
  (後ろ向きに語られた)
  (次第に道化師の顔となり)
  (封鎖するドラム罐の言葉)
  (潮の下を)
 VI
  (狂気をいく者たち - 目)
  (かさばる明日よ)
  (注意書き - 苦痛)
  (オーカーを)
  (白鳥の危険)
  (閏世紀)
  (いくつもの水源地点)
  (曳船の時)
  (お前はお前のようであれ)
  (先立って働きかけるな)
 
雪の声部 (一九七一)
 I
  (洗われず、塗られず)
  (お前は)
  (黄色い窓の)
  (風の中で)
  (黴の生えていく)
  (この世界の)
  (娼婦のような「ほかに」)
  (何が)
  (ぼくは聞く、斧が花咲いたと)
  (野鼠の声で)
  (蜥蜴の - )
  (雪の声部)
 II
  (吃る口でまねされる世界)
  (暗闇のパチンコをもつお前)
  (茨で覆われた)
  (ぞんざいでいいのだ)
  (刈り取られぬままに)
  (進行方向右から)
  (木でできた顔をもち)
  ラルゴ
  (夜の秩序へと)
  (いくつもの袋小路と)
  (夜のような何か)
 III
  (なぜこの不意の「家で」)
  (なぜ掬われなかったものから)
  メイプスバリー・ロード
  (桶をかぶされた叫び声)
  (暗闇となって現れ出て)
  (お前 綛糸と)
  (ルーン文字でできたものも)
  (お前の、お前の)
  壁の文句
  エリックのために
  (誰が何も鋤き返さないのか?)
  (アラセイトウ)
  (あなたは尋で測りきる)
  エリックのために
  (お前のブロンドの髪)
  (深淵たちが徘徊する)
  (お前の鬣 - こだま)
 IV
  (あの「耳の器官の中で」が)
  (半ば食い破られた)
  (一葉)
  (プレイタイム)
  (過ぎ去ったことから)
  (開いた声門)
  (沼沢土壌から)
  (高層湿原)
  (鉱石の光る筋(エルツフリッター))
  (一稜石)
  (葡萄摘みのナイフで)
  (黄土の人形たち)
 V 
  (鋼のように急降下する視石)
  (そして力 そして苦痛)
  (ざわめきによって)
  (甲虫たちの)
  (ぼくはお前の裏切りを)
  (光る棒たち)
  (一本の読むための大枝)
  (進水台からお前に)
  (石灰 - クロッカス)
  (もうすでに)
  (真実への)
  (そして今)
  (速射 - 近日点)
  (ぼくたち 深くされすぎた者たち)
  (こめかみのかけらたちの後ろで)
  (切手 - 鈴蛙たちの - )
  (暗くなった 破片に砕けたこだま)
  (永遠は)



第III巻 目次:

骨壺たちからの砂 (一九四八)
 いくつもの門で
  向こうに
  夢の所有物
  子守歌
  井戸のほとりで
  雨のリラ
  ある戦士
  罌粟
  山の春
  オリーブの木
  墓に近く
  アルテミスの矢
  九月の王冠
  翼のざわめき
  孤独な者
  黒い雪片
  夢の敷居
  最後の門で
 罌粟と記憶
  荒野の歌
  (夜には お前の身体は)
  (徒に)
  ハーモニカ
  マリアンネ
  獣脂蝋燭
  (掌を時刻で一杯にして)
  (半分の夜)
  (お前の髪も)
  (ハコヤナギよ)
  (暗闇のなかに)
  唯一の光
  シネラリア
  羊歯の秘密
  夜の音楽
  骨壺たちからの砂
  最後の旗
  (鉄の靴の軋む音が)
  至日の歌
  饗宴
  九月の暗い目
  海からの石
  フランスの思い出
  夜の光
  お前からぼくへの幾歳
  遠方の賛辞
  全生涯
  デウカリオンとピュラー
  コロナ
  旅にあって
  死のフーガ

時の屋敷 (一九七六)
 I 時の屋敷
  (さすらう宿根草よ)
  (悪意のある月たちが)
  (金色)
  (沈んでいく鯨の額から)
  (お前は横たわる)
  (絹に覆われたどこでもないところが)
  (葡萄畑の壁が)
  (ぼくがお前に)
  (最も遠い)
  (エメラルドの軌道に)
  (お前が)
  (二つの見る膨らみ)
  (ぼくの)
  (お前は ぼくの)
  (囁くことしか許されぬ家)
  (小さな夜)
  (不安定なものに)
  (ぼくは ぼくの夜と)
  (お前の時計の顔が)
  (ぼくは 世界の)
  (ぼくの)
  (一つの星が)
  (ぼくをここで掴んでいる)
 II
  (アーモンドの女)
  (存在していた)
  (赤く燃える火が)
  (ぼくたち、ハマムギのように 真実であるものたち)
  (ひとつの指輪が、弓を引き絞るために)
  (輝くこと)
  (お前、宇宙の中にある)
  (おいで)
  (長靴一杯の)
  (ラッパの箇所は)
  (両極が)
  (王の道)
  (ひとつの意味もまた)
  (ぼくは葡萄酒を飲む)
  (何かが)
  (無が)
  (鐘のようなものの中で)
  (ぼくが)
  (見知らぬものが)
  (ぼくがお前の中で)
 III
  (塗擦されて逝かされて)
  (物質たちのあいだで)
  (世界、世界)
  (何が 苦くなって)
  (沈められた)
  (クロッカス)
  (葡萄つくりの人々が)
 
補遺詩篇
 海の歌
 陸地
 黒い冠
 迷い
 眠る恋人
 (どんな風に 時は枝分かれするのか)
 数え歌
 韻でできたものと 母音押韻をもった/大きな誕生日の青青(ブラウブラウ)
 (仲違いさせられた思考の音楽が)
 ST
 (この)
 暗闇に包みこまれて
  (顧みることなく)
  (光の放棄の後に)
  (くっきりと)
  (高く張った綱から)
  (いくつもの頭上を越えて)
  (文字を刻まれた)
  (異議を申立てられた石)
  (鍵の権能が)
  (荒地を)
  (分かたれないものの)
  (ぼくたち)
  (両手をつかって)

パウル・ツェランの作品と生涯
年譜
訳者あとがき (一九九二年六月)
改訂新版あとがき (二〇一二年一月)



青土社ホームページ:
「パウル・ツェラン全詩集 [改訂新版] 全3巻」






























































Paul Celan "Ich hoerte sagen" (CD)

"Paul Celan liest
ICH HOERTE sagen
gedichte und prosa"


der Hoerverlag, Muenchen, 1997/2004 (2CD)



詩人パウル・ツェランによる自作朗読を収録した二枚組CD。1954年から1968年にかけて、ドイツのラジオ局で放送されたツェラン本人による朗読音源(モノラル)を集成している。


paul celan cd


アマゾンのマケプレ(ブックデポジトリ)で購入。CDだけど書籍扱いなので送料は250円でした。ブックデポジトリは特製の栞が付いてくるのでありがたい。


収録内容は、
詩集『骨壺たちからの砂』(1948年)より1篇
詩集『罌粟と記憶』(1952年)より8篇
詩集『敷居から敷居へ』(1955年)より5篇
詩集『言葉の格子』(1959年)より13篇
詩集『誰でもない者の薔薇』(1963年)より23篇
詩集『息の転換』(1967年)より10篇
詩集『糸の太陽たち』(1968年)より15篇
(以上、詩集の邦題は中村朝子氏の訳(『パウル・ツェラン全詩集』青土社)による)
散文「山中の対話」

収録時間は CD 1 が55分、CD 2 が46分。タイトルは収録詩の一篇「ICH HOERTE sagen」(「ぼくは聞いた」)から採られている。


Todesfuge - Paul Celan (YouTube)
(パウル・ツェラン 「死のフーガ」)




パウル・ツェランの詩がよみたいのですが、なかなかむずかしい詩なので、CDで本人の肉声を聞いたりすることから気持を寄せていこうと企んでいるわけです。









































金子章 『パウル・ツェラーン詩集 雪の部位 注釈』


金子章 
『パウル・ツェラーン
詩集 
雪の部位 
注釈』


三省堂 
1994年11月1日 第1刷発行
259p 口絵(モノクロ)2p 
A5判 角背紙装上製本 カバー 
定価3,800円(本体3,689円)




パウル・ツェランの没後刊行詩集『雪の部位』注釈書(原文・訳文・注釈・補注)。著者は1935年生、名古屋大学教授。
「雪の部位(Schneepart)」は飯吉光夫訳では「雪の区域」、中村朝子訳では「雪の声部」と訳されています。


ツェラン 雪の部位 01


帯文:

「戦後ドイツを代表する
フランスのパスポートをもつ
ユダヤ系詩人
パウル・ツェラーン

〈戦後〉が負荷している
「アウシュヴィッツの後」の
表現の可能性をうたう
詩集『雪の部位』初の
対訳と全注釈!

哀しみとコトバ遊びは何を語るのか」



帯背:

「対訳と全注釈の
こころみ」



帯裏:

「〈もじり〉という
コトバ遊び

「誤認」のVerkenntnisは、Erkenntnis(認識)の〈もじり〉である。だが、この世界に生きる人間の知識(kenntnis)の名がはじめから「誤認」という意味になるのではなく、この〈もじり〉を通してはじめてそういう意味になる、つまり、この世界における人間のもつ「あなた」(神)の認識は、必然的に「誤認」たらざるをえない、という思考を語るのが〈もじり〉というコトバ遊びである。――本文より」



目次:

Schneepart (1971) 雪の部位


Ungewaschen, unbemalt (洗われもせず、化粧もされず)
Du liegst (おまえは横たわっている)
Lila Luft (ふじ色の空)
Brunnengräber (井戸掘りたち)
Das angebrochene Jahr (明け初めた一年)
Unlesbarkeit (読みづらさ)
Hurigess Sonst (娼婦のような日々)
Was näht (何が縫うのだろう)
Ich hoere, die Axt hat geblüht (ぼくは聞く、斧が花咲いたと)
Mit der Stimme der Feldmaus (野鼠の声で)
In Echsen- (蜴の)
Schneepart (雪の部位)


Die nachzustotternde Welt (口まね吃り吃り話すべき世界)
Du mit der Finsterzwille (闇のパチンコを持つあなた)
Eingejännert (お正月)
Schludere (ぞんざいこそよけれ)
Stückgut (ばら売りのクッキー)
Von querab (真横から)
Holzgesichtiger (木の顔をして)
Largo (ラルゴ)
Zur den Sackgassen (袋小路たちと)
Etwas wie Nacht (夜に似たもの)


Warum dieses jähe Zuhause (なぜにこの不意の故郷の安らぎ)
Warum aus dem Ungeschöpften (なぜにいまだ汲まれざるものから)
Mapesbury Road (メイプスベリー・ロード)
Der überkübelte Zuruf (バケツの水をぶっかけるような誰何)
Hervorgedunkelt (暗くたち現れて)
Mit dir Docke (綛糸(かせいと)のあなたを相手に)
Auch der Runige (ルーン文字でできたものもまた)
Deinem, auch deinem (あなたの、あなたの)
Mauerspruch (壁の箴言)
Für Eric (エリックのために)
Wer pfluegt nichts um? (誰だ 無を鋤き返しているのは)
Levkojen (アラセイトウ)
Du durchklafterst (あなたは両腕を広げて端から端まですっかりお測りになる)
Fuer Eric (エリックのために)
Dein Blondschatten (きみのブロンドの影が)
Die Abgründe streunen (深淵を彷徨する)
Dein Mähnen-Echo (きみのたてがみ-谺)


Das Im-Ohrgerät (耳の受信機-中に)
Der halbzerfressene (半分食いちぎられた)
Ein Blatt (一葉を)
Playtime (プレイタイム)
Aus der Vergängnis (移ろいのなかから)
Offene Glottis (開いた声門)
Aus dem Moorboden (沼地から)
Hochmoor (高層湿原)
Erzflitter (金ぴかのきんきら飾り)
Einkanter (一稜の石)
Mit Rebmessern (ブドウ剪定刀を手に持ち)
Lößpuppen (黄土人形)


Stahlschüssiger Sehstein (鋼鉄のように飛び視石)
Und Kraft un Schmerz (そして力 そして苦痛)
Miterhoben (ともに高くさし上げられ)
Steinschlag (落石)
Ich schreite (ぼくは歩測する)
Leuchtstäbe (明滅する棒たち)
Ein Leseast (一本の読む枝)
Zerr dir (曳き下ろせ)
Kalk-Krokus (石灰-クロッカス)
Es sind schon (すでに)
In den Einstiegluken (乗降ハッチで)
Und jetzt (そしていまや)
Schnellfeuer-Perihel (速射-近日点)
Wir Übertieften (ぼくら 超深化された者)
Hinter Schläfensplittern (こめかみの破片の後ろで)
Bergung (救いとられる)
Das gedunkelte (暗くなった)
Die Ewigkeit (永遠は)

解説 (金子章)
年表・年譜 (金子章 編)
索引
目次



ツェラン 雪の部位 02



◆本書より◆


「Du liegst (おまえは横たわっている)」より:

「DU LIEGST im großen Gelausche,
umbuscht, umflockt.」

おまえは大いなる聴耳だてのなかに横たわっている
茂みに囲まれ、舞落ちる雪に囲まれて。」

「「聴耳だて」の Gelausche の -lausche には〈耳を澄ます〉行為とその場所の両義があるが(Grimm)、場所にとれば〈ひと目につかない静かな居心地のいい場所〉ということになる。次の「茂み」「雪」に合わせて、茂みと降り積む雪に囲まれたひとつの別世界、そのなかでの安全な保護された生活が浮かぶ。たいへん楽園風でもある。だが、そう読むと「大いなる」が落ち着かない。「おまえ」がベルリン・ドイツだから「大いなる」ということにすると、汝、安易のうちに横たわる民よ、立て、この楽園風に囲われていまや降誕祭を迎えようとしているベルリン・ドイツの生活の安らかさも、それは見せかけで内部矛盾を持っている、ということになる。(中略)Janz と Szondi によると、この詩は1967年12月23日から24日にかけて、雪の降ったベルリンで書かれたという。その夜、ツェラーンは「茂みに囲まれた」芸術アカデミーの一室に宿泊、その建物の「隠遁的な」印象を「大いなる」と揶揄した。この報告からすると「おまえ」でまずは自分に呼びかけていることになる。」



ツェラン 雪の部位 03




こちらもご参照ください:

パウル・ツェラン 『雪の区域』 飯吉光夫 訳





























































パウル・ツェラン 『雪の区域』 飯吉光夫 訳

「わたしたち、深いが上にも深いところに住まう者、
凍(い)てついた所に孤独に。」

パウル・ツェラン 「わたしたち、深いが上にも深いところに住まう者」 より)


パウル・ツェラン 
『雪の区域』 
飯吉光夫 訳



静地社 
1985年9月6日 初版第1刷千部発行
132p 訳者略歴1p 口絵(モノクロ)3p 
A5判 並装 ビニールカバー 
定価2,300円



本書「訳者あとがき」より:

「パウル・ツェラン(Paul Celan)の『雪の区域(パート)』(原題 Schneepart)は、一九七一年に西ドイツのズールカンプ社から出版された。」
「本書を翻訳出版するにあたり、ツェランの未亡人ジゼル・ツェラン=レストランジュ(Gisèle Celan-Lestrange)に銅版画の制作を依頼した。」



パウル・ツェラン没後刊行詩集。口絵は「雪の区域」原稿とジゼルによる銅版画。


ツェラン 雪の区域 01


帯文:

「戦後ドイツを代表するユダヤ系詩人・パウル・ツェラン。一九七〇年春の自殺。遺稿のなかにひとまとめにされた原稿類が発見された。絶望のうちにも、言葉の光で希望をさがそうとする『雪の区域』である。
待望の翻訳刊行。」



帯背:

「遺稿詩集」


帯裏:

「パウル・ツェラン(Paul Celan)の『雪の区域(パート)』(原題 Schneepart)は、一九七一年に西ドイツのズールカンプ社から出版された。
ドイツのユダヤ系詩人パウル・ツェランが、あと半年で五十歳になる年齢で、パリのセーヌ川に投身自殺をしたのは、一九七〇年の四月末から五月にかけてである。
当初は、すでに拙訳のある『迫る光』(Lichtzwang)が、彼の最後の詩集であるかのように思われていたが、遺稿の中に、手書きの、ひとまとめにされた原稿類が発見された。この原稿類は、一冊の完結した、公けにされることを予想した詩集を含んでいた――『雪の区域(パート)』がそれである。これらの詩篇の最初の書き下ろしは、一九六七年から六八年にまで遡るものである。
飯吉光夫」



ツェラン 雪の区域 02


目次:


洗われることなく、色どられることなく
おまえはよこたわっている
藤色の大気
風のなかの井戸掘りたち
明けた年
読みとれなさ
娼婦のような日々
何が縫いついているのだろう
ぼくは聞く、鉞(まさかり)が咲いていたと
野鼠の声をたてながら
蜥蜴(とかげ)の
雪の区域(パート)


あとから吃りつつなぞられる世界
暗黒の投石器をかまえるあなた
一月(いちがつ)をとりこめられて
すこし手を休めておくれ
かけら状貨物
斜め上から
木犀の顔をした
ラルゴ
夜の秩序のほうへ
袋小路と
何か夜のようなもの


なぜこの思いがけない帰郷
汲まれなかったものの中からなぜ
メイプスベリー・ロード
泥酔の中を通ってくる呼びかけ
暗い所にひきだされて
木屑であるあなたを
ルーネ文字が刻まれた石も軌道を変える――
あなたの、あなたの
壁の句
エリックのために
誰が無を鋤き返しているのか
アラセイトウ
あなたは両手をひろげて計測する
エリックのために
おまえのブロンドの影
奈落たちが徘徊する
おまえの鬣(たてがみ)のこだま


《補聴器の中》
半ば喰いやぶられた
一枚の葉
遊び時間(プレイ・タイム)
忌わしい過去から
ひらかれる声門
湿原の大地から
湿原台地
原石の鉱箔
段石
蔓を切るナイフで
黄土からつくられた人形たち


鋼鉄の弾丸(たま)のように徒部、見る力をもった石
そして力そして苦痛
ともに持ちあげられて
落石
ぼくは歩測する
いくつもの警告灯
読む脳神経分枝
きみの夢を
石灰のクロッカス
はや
降りたつ昇降口(ハッチ)で
そしていま
連射――近日点
わたしたち、深いが上にも深いところに住まう者
きれぎれに砕けちった顳顬(こめかみ)のかなたで
取りこむこと
暗い谺(こだま)
永遠が

訳者あとがき



ツェラン 雪の区域 03



◆本書より◆


「おまえはよこたわっている」より:

「おまえは耳を欹(そばだ)てて大いなる潜(ひそ)みの場所によこたわっている、
茂みにかこまれて、雪片にかこまれて。」



「読みとれなさ」より:

「おまえは、おまえの最も深いところにおしこめられて、
おまえ自身から降り立つ、
永久に。」



「雪の区域(パート)」:

「窓を永遠にとりはらわれた
小屋また小屋の
まえで、上昇気流に
のこりくまなく巻きあげられる雪の区域――

平らかな夢たちを水切り遊びのように跳んでいかせること、
筋あとのある
氷の上へ――

言葉の影を
切りだすこと、その影は、堤防内の窪みにたまった水に映る
鎹(かすがい)を
かかえこんでいる。」



「あなたの、あなたの」より:

「あなたは今日、
何に対しても、沈黙していてください。」



「アラセイトウ」より:

「妹よ、栗の木よ、おまえのきららかな、
此岸(ここ)にして彼岸(かしこ)であるものをつけた
おびただしい葉よ。」



「忌わしい過去から」:

「忌わしい過去から
階段が上にのびている。

耳に滴らせられたものが、
耳の中を川のように流れていって、奥に太古を熟成させる。

フィヨルドは
燈芯。

冷ややかに物語られたものが、
夢見る。

おまえはその物語に触れる、あかるい日のもとの
共謀者よ。」





こちらもご参照ください:

金子章 『パウル・ツェラーン詩集 雪の部位 注釈』
飯吉光夫 『パウル・ツェラン』 (小沢コレクション)
「現代詩手帖 臨時増刊 ブランショ」















































プロフィール

ひとでなしの猫

Author:ひとでなしの猫
 
うまれたときからひとでなし
なぜならわたしはねこだから
 
◆「樽のなかのディオゲネス」から「ねこぢる」まで◆

Koro-pok-Guru
Away with the Fairies

難破した人々の為に。

分野: パタフィジック。

趣味: 図書館ごっこ。

好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

将来の夢: 石ころ。

尊敬する人物: ジョゼフ・メリック、ジョゼフ・コーネル、尾形亀之助、森田童子。

ハンス・アスペルガー・メモリアル・バーベキュー。

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