クラフト・エヴィング商會 『どこかにいってしまったものたち』

クラフト・エヴィング商會 
『どこかにいってしまったものたち』
写真: 坂本真典


筑摩書房
1997年6月25日 初版第1刷発行
2000年6月10日 初版第6刷発行
158p
A5判 角背紙装上製本 カバー
定価2,400円+税



まえに買っておいたクラフト・エヴィング商会さんの本がでてきたのでよんでみました。
本文中図版(カラー/モノクロ)多数。


クラフトエヴィング どこかへいってしまったものたち 01


目次:

【クラフト・エヴィング商會不在品目録】 1897―1952
 引き出しの奥のもうひとつの世界
 【明治】 1898―1910
  硝子蝙蝠
  記憶粉
  迷走思考修復機
  七色李酒
 どこかにいってしまったものたち探偵調査ファイル
  File 1
  File 2
  File 3
  File 4
 【大正】 1916―1925
  万物結晶器
  アストロ燈
  月光光線銃
  立体十四音響装置
  時間幻燈機
  深夜眼鏡
 【昭和・Ⅰ】 1928―1944
  人造虹製造猿
  水蜜桃調査猿
   「水蜜桃調査猿解説」復刻
  全記憶再生装置
  卓上キネマハウス
  夜間自動記録式電氣箱
  遡行計
  中國的水晶萬年筆
 【冬眠】 1944―1946
  燃えつきてしまったものたち
 【昭和・Ⅱ】 1946―1952
  青い火花を散らすもの
  瞬間永遠接着液
  流星シラップソーダ
  空中寝台
 【平成】 1994~
  「どこかにいってしまったものたち」の作り方
  魔法のくすりのこと
  手品師の帽子を脱いで



クラフトエヴィング どこかへいってしまったものたち 02



◆本書より◆


「引き出しの奥のもうひとつの世界」より:

「ここにある、このいくつもの引き出し。」
「この引き出したちには、私たち「クラフト・エヴィング商會」の長くて風変わりな歴史が、さまざまなかたちで封じ込められてもいます。」
「この引き出したちはつまり「クラフト・エヴィング商會」という奇妙な名前の商店そのものを回顧するための、小さな博物館のようなものでもあるのですが、しかしそもそも「クラフト・エヴィング商會」とは一体何なのか? というお話から始めなければなりません。」
「私たちは、明治、大正、昭和と続いてきた当商會を、平成の時代になってから引き継ぐことになった「三代目」です。当商會の、この百年間変わらない謳い文句は「不思議の品売ります」であり、科学的な「装置」から子供のための玩具まで、それが「不思議なもの」であれば、どんなものでも取り扱ってきました。」
「さて、こうした引き出したちのひとつに「どこかにいってしまったものたち」と名付けられた引き出しがあります。中には、当商會の先代の字で「クラフト・エヴィング商會不在品目録」と記された書類がひと束はいっているだけですが、これこそこの本の主役、本書の元となった貴重な資料なのです。
 この書類は、当商會が取り扱ったものたちの中で、さまざまな理由により「今は存在していないもの」すなわち「どこかにいってしまったものたち」のデータだけを、先代がまとめたものです。その多くは、商品の名前と、わずかな概略だけしか残されていません。しかし、私たちが興味を覚えて引き出しやら倉庫やらをひっくり返してみたところ、これらいくつかの不在商品の、解説書やパッケージや宣伝用チラシなどが発見されたのです。」
「この平成の世に「不思議」を商うのは、非常に困難なことです。思えばこの百年は「不思議」を消費し続け、葬り続けた世紀でもありました。もしかするとこれらの不在品も、現物を確認してしまったら「なあんだ」というようなものであるのかもしれません。しかし、現物が不在であるがゆえに、これらの「不思議」は決して葬られることがありません。私たちとしては先代が残してくれたこの貴重な資料を紹介することで、「不思議の品売ります」を謳ったクラフト・エヴィング商會のモットーを受け継ぎたいと思うのです。」



クラフトエヴィング どこかへいってしまったものたち 05


「月光光線銃」より:

「つまりこの光線銃は、まず「月光」を吸収し、それを内部に蓄えたのち発射するという仕組になっているわけです。言うまでもなく使用できるのは、月の出ている夜間のみに限られています。」


クラフトエヴィング どこかへいってしまったものたち 03


「遡行計」より:

「私達の生活は實感的現實時間の中にあり、時間は常に前に進むものだと考へられて來ました。しかし、物質や空間の中には時間を遡りながら存在するという現象が、しばしば起こりうるのであります。(中略)外見的にはただここにあるだけのものが、實は内側で、この物質固有の速さ、重さ、角度をともないながら時間を遡つていることがあるのであります。これは空間についても同じであります。この極めて重要な事實を捉へ、手輕に各々で計測するための計器が、この遡行計であります。」


クラフトエヴィング どこかへいってしまったものたち 04


「流星シラップソーダ」より:

「写真の青い箱は、どうやら街の菓子屋の店先に飾られていたディスプレイ広告のようです。ガラス板の扉に宣伝文句が印刷してあり、その扉が開閉できる作りになっています。おそらく当時は、中に置かれたグラスの中に、色とりどりの「星形ジュースの素」が入れてあったのでしょう。
 問題は、この「流星の味」ですが、はてさてどんなものだったのでしょう?」
















































































稲垣足穂/たむらしげる 『一千一秒物語』

文: 稲垣足穂
絵: たむらしげる 
『一千一秒物語』


リブロポート 
1994年4月12日 第1刷発行
63p 
19.5×24cm 
角背紙装上製本 カバー 
定価2,060円(本体2,000円)
企画・デザイン: 羽鳥一希



これはどういう本かというと、タルホの「一千一秒物語」全篇と、たむらしげるによるイラスト作品(見開き)が交互に掲載されている本です。

カラー図版30ページ(イラスト19点)。


たむらしげる 一千一秒物語 01


目次:
 
月から出た人
星をひろった話
投石事件
流星と格闘した話
ハーモニカを盗まれた話
ある夜倉庫のかげで聞いた話
月とシガレット
お月様とけんかした話
A MEMORY
A PUZZLE
A CHILDREN'S SONG
月光鬼語
ある晩の出来事
IT'S NOTHING ELSE
SOMETHING BLACK
黒猫のしっぽを切った話
突きとばされた話
はねとばされた話
押し出された話
キスした人
霧にだまされた話
ポケットの中の月
なげいて帰った者
雨を射ち止めた話
月光密造者
箒星を獲りに行った話
星を食べた話
AN INCIDENT IN THE CONCERT
TOUR DU CHAT-NOIR
星? 花火?
ガス燈とつかみ合いをした話
自分を落してしまった話
星でパンをこしらえた話
星におそわれた話
はたして月へ行けたか?
水道へ突き落された話
月をあげる人
THE MOONMAN
ココアのいたずら
電燈の下をへんなものが通った話
月のサーカス
THE MOONRIDERS
煙突から投げこまれた話
A TWILIGHT EPISODE
黒猫を射ち落した話
コーモリの家
散歩前
THE BLACK COMET CLUB
友だちがお月様に変った話
見てきたようなことを云う人
AN INCIDENT AT A STREET CORNER
A HOLD UP
銀河からの手紙
THE WEDDING CEREMONY
自分によく似た人
真夜中の訪問者
ニュウヨークから帰ってきた人の話
月の客人
どうして酔よりさめたか?
A ROC ON A PAVEMENT
黒い箱
月夜のプロージット
赤鉛筆の由来
土星が三つ出来た話
お月様をたべた話
お月様が三角になった話
星と無頼漢
はたしてビールびんの中に箒星がはいっていたか?
どうして彼は喫煙家になったか?
A MOONSHINE



たむらしげる 一千一秒物語 02


たむらしげる 一千一秒物語 03




















































































たむらしげる 『ファンタスマゴリア』

たむらしげる 
『ファンタスマゴリア
PHANTASMAGORIA』


架空社
1989年3月25日 初刷
1989年5月25日 2刷
119p
22.4×29.6cm
並装 カバー
定価3,069円(本体2,980円)
装幀: 岡本一宣デザイン事務所

栞(4p):
「たむらしげる」について(椎名誠)/「ファンタスマゴリア」について(たむらしげる)/BOOK LIST 1989. 4



栞文「「ファンタスマゴリア」について」より:

「絵というものは、その描かれた世界の時間と空間の一部を写し取ることで成立します。もしその描かれた絵が本当にある世界の絵であれば、その絵の外側にも風景が続いているはずです。だから絵の外側にもう一枚キャンバスを立てて続きの絵を描き、さらに一枚、と次々描き足していくと、その絵は一個の巨大な球体となり、それを遠くから眺めると小さな惑星ができているはずです。そんな風にして出来たのが、この作品集「ファンタスマゴリア」の最初のページに描かれたプラネットの絵です。絵やストーリーを個々の独立したものとしてでなく、ひとつの世界として考えられればと思うのです。考えてみれば、ぼくらが疑いもなく現実と思っているこの地球も、もしかしたら誰かの空想によってつくられた世界かもしれません。」


たむらしげる ファンタスマゴリア 01


内容:

PLANET
 PLANET
 モービー・ディック
 クリスタル・シティー
 歩く家
 サンタ・ロボット/オーロラ号/サンタクロース村
 U・バルサ博士/ドラゴン山/ドラゴンの滝/ドラゴン
 キノコ村
 地底世界入口/ハリー・ゴビア・シリー探険隊
 虹の谷絵具工場
 グランド・ブリッジ
 ホトホト・サーカス団
 ギザギザ海/モヤモヤ海/フープ博士
 ノイズ21号
 ネプチューン・シティー
 ドラキュラ城/架空社社長のS・マエノ氏/ゆでだこ海/ドクロ島/シャリコン大砲/海賊船シャリコン・デビル号/ノコギリザメ/鳥
 ジュラ島
 デジタル・ゾーン
 チーズ火山/チーズ工場/ゴールデン・グレート・スーパー・デラックス特急/ヴォルカノ駅
 ヴォルカノ港
 クフ港/コンガラガッタ川のハラペコワニ/メチャクジャングル
 ピラミッド・アパート
 カクタス・シティー
 カクタス・エアライン
 カヌー
 月
 ノースポール・シティー
 スケート場
 角砂糖の木/王宮/コズミック・カフェ/プロペラ百貨店/サイコロン
 コーギーズ・ベーカリー
 プラネタリウム/アルタイルの酒場
 ムーンシャイン・ビレッジ
 クッキー・タウン/プリズマ・エクスプレス/トラガリー・タウン
 エンジン・ヒコーキ
 グラッシー・オーシャン
 歩くビル
 水晶山脈
 サイクリング
 クジラの跳躍
 人工の月
 銀河ステーション
 水晶島
 リカーショップ
 スチームボート
 シャドウ・タウン
 インデアン
 ウォーター・ピープル/賢人の山/ジプシー
 地上を走る船
 電球
 砂の巨人/砂くい鳥/ゴーストタウン/ガイコツ自動車/ジュラ島
 辺境ホテル
 火男
 時の砂漠
 鉄橋
 シューティングスターヒル

PLANETARIUM
 Picture Books
  〔「サンタのおもちゃ工場」 1984 リブロポート より〕
  〔「クッキー・サーカス」 1982 文化出版局 より〕
  〔「ありとすいか」 1984 リブロポート より〕
  〔「うちゅうスケート」 1983 リブロポート より〕
  〔「ゆきだるま」 七尾純・文 「よいこのポピー」 全家研 より〕
 Star Collection
  Violinist/Moon Walk/Boy and Dog/Letter
  Rat
  Star Light/Saturn/Christmas Tree/-25°C
  Night Driver
 Pantomime
  Saturn
  Star/Whale/Moon
 Moonlight Gallery
  Face
  Rhinoceros
 Picture Diary
  January/Stove
  February/Gloves
  March/Fine Weather
  April/Upright Piano
  May/Cycle
  June/Tomato
  July/Window
  August/Peppermint Soda
  September/Word Processor
  October/Music Box
  November/Television
  December/Playing Cards
 Robot's Dream
  Snowfall
  Voyage
  Doughnuts Car
  Airplane
  Musician
 Traveller
  Star Maker
  The Engine Stalls
  Ring
  Star Collector
  Flying Machine
  Stratosphere
  Mr. Robot
  Star Climbing
 Composition
  Brick Works
  Saturn
  Light House
 Telescope View
  地球への贈り物 A GIFT TO THE EARTH
 Comic Works
  an Antique Moon 第1話 夜間飛行
  an Antique Moon 第2話 アルタイルの酒場
  an Antique Moon 第3話 輝く海
  Le Voyage Imaginaire
 Giant's Toys
  Searchlight
  Bottle
  Ball Man
 Metaphysical Memory
  Antique Moon

PRIMITIVE
 Miniture Print
  Starting Station
  Black Bird
  Light Trap
  Asteroid
 Moving Picture
 Midget Book
  よるのさんぽ
 Alchol Comics
  アルコール男爵の靴
  アルコール男爵と水男(ウォーターマン)
 Digital Scribble
  Prisonor
  Frog
  Drunker Man/Santa Claus/Reindeer/Stove & Dog/Acorn/Happy Dog
  Force
  Dinosaur
  The Sun/Bat/Witch/Sloth/Black Bee/Night Crocodile



たむらしげる ファンタスマゴリア 02



そういうわけで第一部「PLANET」はたむらしげるワールドへのトラベルガイドです。
第二部「PLANETARIUM」はたむらしげる作品の見本市。
以上はオールカラー。第三部「PRIMITIVE」はモノクロ作品です。



◆本書より◆


「ムーンシャイン・ビレッジ

この村には無数のウィスキーの密造所がある。
この密造所から空気中に発散する
高密度のアルコールのため、村の風景は
奇妙にゆがんでいる。風の無い日には電柱が歩きだす。
2年間この村に住むと、確実にアル中になるという。」



たむらしげる ファンタスマゴリア 03




























































































































プロフィール

ひとでなしの猫

Author:ひとでなしの猫
ひ-2-改(ひとでなしの猫 2 改訂版)

◆「樽のなかのディオゲネス」から「ねこぢる」まで◆

難破した人々の為に。

分野: パタフィジック。

趣味: 図書館ごっこ。

好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

将来の夢: 石ころ。

尊敬する人物: ジョゼフ・メリック、ジョゼフ・コーネル。

ハンス・アスペルガー・メモリアル・バーベキュー。

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